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03月17日-06号

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  1. 函館市議会 2022-03-17
    03月17日-06号


    取得元: 函館市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-23
    令和 4年第1回 2月定例会           令和4年第1回函館市議会定例会会議録 第6号  令和3年3月17日(木曜日)            午前10時00分開議                            午後 4時48分散会========================================〇議事日程日程第1 個人質問──────────────────────〇本日の会議に付した事件 議事日程と同じ──────────────────────〇出席議員(27人)        1番 浜 野 幸 子        2番 吉 田 崇 仁        3番 工 藤 恵 美        4番 遠 山 俊 一        5番 金 澤 浩 幸        6番 茂 木   修        7番 松 宮 健 治        8番 小野沢 猛 史        9番 工 藤   篤       10番 市 戸 ゆたか       11番 富 山 悦 子       12番 板 倉 一 幸       13番 小 山 直 子       14番 斉 藤 佐知子       15番 福 島 恭 二       16番 藤 井 辰 吉       17番 出 村 ゆかり       18番 山 口 勝 彦       19番 中 山   治       20番 池 亀 睦 子       21番 小 林 芳 幸       22番 荒 木 明 美       23番 紺 谷 克 孝       24番 島   昌 之       25番 日 角 邦 夫       26番 見 付 宗 弥       27番 道 畑 克 雄──────────────────────〇説明員    市長     工 藤 壽 樹    副市長    谷 口   諭    副市長    平 井 尚 子    企画部長   柏   弘 樹    総務部長   小山内 千 晴    財務部長   川 村 義 浩    保健福祉部長 大 泉   潤    子ども未来部長           深 草 涼 子    経済部長   小 林 利 行    農林水産部長 松 浦 眞 人    都市建設部長 佐賀井   学    教育長    辻   俊 行    教育委員会生涯学習部長           川 村 真 一    教育委員会学校教育部長           永 澤   篤──────────────────────〇事務局出席職員    事務局長   手 塚 祐 一    事務局次長  宮 田   至    議事調査課長 米 谷 公 伸======================          午前10時00分開議 ○議長(浜野幸子) ただいまから本日の会議を開きます。────────────────────── ○議長(浜野幸子) 日程第1 個人質問を行います。 発言の通告がありますので、順次これを許します。3番 工藤 恵美議員。  (工藤 恵美議員質問席へ着席)(拍手) ◆(工藤恵美議員) おはようございます。市政クラブの工藤 恵美でございます。今日はよろしくお願いいたします。 質問する前に、昨日、深夜に起こりました東北地方の災害、やっぱり11年たっても3月にやってくるのかなとびっくりいたしております。災害に遭われた東北地方の方々には、心からお見舞いを申し上げまして、また災害に対して強靭なまちづくりに取り組んでいかなければならないと、改めて心に思いましたので、これからも行政とともに取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では質問いたします。今回の令和4年度予算議会におきまして、工藤市長の市政執行方針の中の、市政を推進するための主な施策のうちの3点目でございます。快適で魅力あるまちづくりを進めると話されておりましたので、この点について。このたびの私の質問は、西部地区のまちづくりについて大綱1点でございますが、括弧5点につきまして、市長、教育長にお伺いしていきたいと思います。 まず1点目は、移住、定住、居住誘導施策について、お伺いいたします。 現在、北海道と協議が進められているという西小学校・西中学校の跡地に整備される道営住宅はどの程度の規模をお考えなのでしょうか、お聞かせください。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 道営住宅の規模についてのお尋ねですが、西小・中学校跡地への整備について、現在、北海道と協議を進めている道営住宅の規模につきましては、現段階ではありますが、敷地全体の約4分の1に当たる3,000から4,000平方メートルを活用し、30から40戸の住戸を有する住宅1棟を整備する予定と伺っております。また、当該敷地は、建築物の高さが13メートル以下に制限される西部地区都市景観形成地域住宅地景観ゾーンでありますことから、この制限の中で建設されるものと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 次にお伺いいたしますが、西小・中学校跡地への道営住宅の整備に当たりまして、今後、北海道と具体的にどのような内容で協議を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 北海道との今後の協議についてのお尋ねでございますが、西小・中学校跡地への道営住宅の整備につきましては、現在、小学校敷地の一部を活用し整備することについて協議を進めているところでありますが、今後は、市がこれまで西部地区で進めてきた子育て世帯の定住施策を踏まえた住宅の整備について、要望や協議を行ってまいりたいと考えております。 また、早期建設に向けたスケジュールの確認とともに、建設用地の所有権の調整に当たっては、今後の再整備事業での活用を視野に入れ、北海道が所有する道営住宅ともえ団地跡地との用地交換も含め、具体的な協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 日頃から西部地域の町並みに関しましては、非常に関心を持って都市建設部さんとはよく話をさせていただき情報も頂いておりましたんですが、小・中学校をなくしてしまってから、子育て世帯を募集するということがとても信じられないような気がしております。しかし、道営住宅の話が進んでいるということでございますので、ぜひとも景観に合ったものを造っていただきたいと期待いたしております。 次に、3点目でございますが、市ではこれまで西部地区においてどのような住宅施策を進めてきたのか、直近でございますけれども、今後の施策の方向性についてもお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 西部地区における住宅施策についてのお尋ねでございますが、西部地区においては他地区と比べ、特に人口減少や少子高齢化が進んでおりまして、市街地の空洞化が進行している地区でありますことから、定住人口の確保と良質な住宅を供給するため、借上市営住宅制度の実施のほか、若年層の定住化、さらには移住者のまちなか居住を促進するため、ヤングファミリー住まいりんぐ補助や空家等改修補助による支援などに取り組んできたところでございます。 今後につきましても、現在進めている次期住宅マスタープランの策定に当たっての実態や推計の調査結果を基に、西部地区を含めた市全体の住宅施策の方向性について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 西部地域と言いましても広いので、函館駅から函館山側なのか、市役所から函館山側なのか、部局によってその範囲は違うようでございますが、西部地域は広いので──私が西小・中学校のことを言ったのは、西部地域の西側になるのでしょうか──ちょっと心配しているのですが、西部地域全般を考えて住宅施策を考えるということですので期待しております。 次に4点目でございますが、西部地区再整備事業では、空き家、空き地、低未利用不動産を再整備して新たな利活用を促進するということをうたっておりますが、移住者用の住宅用地としての活用も考えていらっしゃるのか、お聞かせください。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 低未利用不動産移住者用住宅としての活用についてのお尋ねでございますが、再整備事業では空き地・空き家が多いなどの課題のある街区の再整備や、これらの低未利用不動産の流通促進を図ることとしており、今後、まちづくり会社と連携してこれらの街区の土地所有者等と協議・交渉を行っていく予定としております。 西部地区は眺望景観にも優れ、函館山や海に囲まれた自然環境、異国情緒漂う歴史的な町並みが広がる観光客にも人気のエリアとなっており、移住者の新たな居住地として魅力のある地区でありますので、街区の再整備に当たっては、現在、市が実施している移住・定住施策と効果的に連動させながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 都市建設部が中心となっていろいろな施策を連携して行うということですので期待いたします。 では次に、生活環境の整備についてお伺いしたいと思います。 弥生小学校青柳小学校の統合につきましては、先日、教育委員会において再編留保とされたところでございますが、小学校の統合に係る審議に当たって実施された、保護者や地域への意見聴取においてどのような意見が出されたのか、お伺いしたいと思います。 ◎教育委員会学校教育部長(永澤篤) 弥生小学校青柳小学校の再編に係る保護者等の意見についてのお尋ねですが、平成28年7月に教育委員会が函館市学校教育審議会に諮問した再編グループのうち、弥生小学校青柳小学校を含む12校・6再編グループにつきましては、令和2年10月から1年をかけて、改めて保護者や地域住民の代表に御意見を伺ったところでございます。弥生小学校青柳小学校に関し、再編を望まない声としては、子供に長い距離を歩かせるのは心配、坂道が多く通学距離が長くなることに不安を感じるといった通学に関する御意見があったほか、地域と子供たちの関わりが薄くなるのではないか、若者が住みやすいまちづくりを考えてほしいといった西部地区のまちづくりに関わる御意見などもあったところでございます。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 中学校が統合されました。青柳中への通学距離が長くなってしまいまして、子供たちの負担が大変大きくなりました。通学支援としてのスクールバスの考え方についてお伺いしたいと思いますが、これまでも私は何度もスクールバスの運行、それができなければ乗合いバスが学校近くを回るようにバス停を設置してほしいという要望をしてまいりました。どのように検討されたのか、お伺いしたいと思います。 ◎教育委員会学校教育部長(永澤篤) 通学支援の考え方についてのお尋ねですが、本市では現在、国の基準を参考に学校再編の状況等も踏まえながらスクールバスを運行しており、青柳中学校につきましては、今年度在籍する生徒のうち、通学距離が最も長い生徒で約3キロメートルとなっていることからスクールバスは運行しておりませんが、今後、改めて児童生徒の通学距離や時間、通学方法などの実態を把握し、通学の在り方について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 期待どおりの検討をお待ちしたいと思います。けれども、子供たちは毎日通学するわけですね。防犯上の観点から、通学路の安全確保についてはどのように考えているのか、お聞かせください。 ◎教育委員会学校教育部長(永澤篤) 通学路の安全確保についてのお尋ねですが、各学校におきましては、児童生徒から収集した情報を基に安全マップを作成するとともに、PTAや町会などと連携して見守り活動やパトロールの強化に取り組んでいるところでございまして、不審者情報があった場合には速やかに関係機関等と情報を共有し、注意喚起や集団下校を実施しているほか、地域ぐるみで子供たちの安全を守るこども110ばんのいえ・みせ活動に取り組んでいるところです。 また、青柳中学校と校区の3小学校で組織する学校運営協議会──青柳ネットにおきましては、コミュニティ・スクールの取組として、昨年4月に学校・校区22町会・PTAの三者により、青柳ネット防犯パトロール隊を発足し、防犯体制の強化を図ったところであり、通学路を中心に見守り活動を行いながら、児童生徒の安全確保に努めているところであります。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 前回と同じお答えを頂きましたんですが、この青柳ネットというのが新しくできたようでございますけれども、各町会に──22町会全部ではございませんけれども──8町会の方々にお聞きいたしました。この青柳ネット防犯パトロールは毎日交代で行うのでしょうかとお尋ねしたんですが、そうではなくて一斉に1か月に1回だけとお伺いしました。子供たちは毎日通学して毎日不安があるわけですよね。私も西部地域で生まれ育ったものですから、特に十字街から西側というのは、住民は高齢者が多くて、そして公共施設も多いわけですよ。神社とかお寺とかも多いですね。そうすると、人通りのないところを通って歩かなければいけません。人口も減っているということは、お店も閉まっております。シャッター通りでございますね。本当に大黒通りは弁天寿司とヨシヤしか開いていない、そんなような状態のところを子供たちは通って帰らなければいけないわけですよね。歩いてみてください、先生。私も歩いてみました。本当に怖いなと思いながら、でも毎日通う道路ですから、子供たちは通るわけですよね。学校に行かなくちゃいけないわけですから。不審者の心配もございますが、自主防犯パトロールが回っております。これは助かることだなと、毎日回ってくれているので。あと、新聞配達のおじさんたちが3時半から4時にかけて新聞──夕刊を配って歩いているので、そのおじさんたちが見守りになっているのかなと思ったりもしております。こういう心配もありますが、思春期の子供たちの体調の心配もございます。毎日のことです。どうぞ教育長、子供たちの目線で危険度を調査していただきたいと要望いたしまして、期待いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、西部地区の再整備に関しまして、居住誘導を進めるためにも、子供たちのためだけでなく、公共交通の利便性の確保が重要と考えておりますが、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 ◎企画部長(柏弘樹) 西部地区における公共交通に関する取組についてのお尋ねであります。 西部地区につきましては、市電、路線バスなど既存の公共交通機関が一定程度整備されておりますが、坂道が多く高齢化率が高いという地域特性を有しております。このようなことから、令和5年度に予定しております地域公共交通計画の策定に向けた作業の中で、将来にわたって持続可能な公共交通を確保する観点から、地域特性はもとより、市電や路線バスとの接続を考慮した第3次交通的な要素を取り入れながら、令和4年度にはグリーンスローモビリティを活用した実証運行を予定しておりますほか、既存のバス路線の見直しや市電、路線バスを補完するデマンド型交通などの新たな輸送サービスの導入の可能性を含め、総合的に検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(工藤恵美議員) 私はこれまでも何回か昨年の質問の中で、公立はこだて未来大学の松原教授が提唱するSAVSを取り入れるべきと要望してまいりました。その後どのように検討されたのか、お聞きしたいと思います。
    ◎企画部長(柏弘樹) 公立はこだて未来大学との連携についてのお尋ねであります。AI活用のデマンド型交通につきましては、平成25年から平成27年にかけて大学と連携し、同交通システム導入に向けたプロジェクトの立ち上げについて、バスやタクシー事業者とともに検討いたしましたが、コスト面などの課題から実現には至らなかったものであります。 今後におきましては、持続可能な公共交通網の構築を考える上で、デマンド型交通は有効な輸送手段の一つでありますことから、そのノウハウを有する大学等と連携を図る中で、新たな地域公共交通計画の策定に合わせて改めてその導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。 ◆(工藤恵美議員) 新しく地域公共交通計画を策定するということでございます。今SAVSは全国でもどんどん取り入れられてきております。直近では江差町が実証実験するということを聞いております。未来大学は函館市内にあるわけですから、函館では実証実験も行われております。地形の問題があるのでしょうか、金額の問題なんでしょうか、そこは分かりませんが、不便しているのは函館市民ですから、ぜひともいろんな対策を取っていただきたいと思います。 次に3番目、魅力ある空間整備についてお伺いしていきたいと思います。 西部地区再整備事業の対象地区には、都市景観形成地域が含まれております。どのようにこの景観に配慮した再整備事業を進めようとしているのか、お聞かせください。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 再整備事業における景観についてのお尋ねでございますが、本市では西部地区の一部を都市景観条例に基づく都市景観形成地域として指定し、自然と歴史に育まれた函館らしい都市景観の形成を図るため、これまでも伝統的建造物等を適切に保全・活用するための施策や、指定区域内の建築物に対する景観誘導の取組のほか、歴史的な町並みと調和が取れた道路や坂道の美装化など良好な環境整備を進めてきたところでございます。 再整備事業の実施に当たりましても、都市景観条例や再整備事業基本方針の下、西部地区の財産である豊かな自然や歴史的な町並みを次世代に継承することを基本理念とし、西部地区全体の都市景観の形成をイメージしながら各種施策を展開してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 西部地区の都市景観の形成のイメージ──イメージというのは人によって違うのかなとも思いますが──は、伝統的建造物を大切にするということも含まれておりますので、期待していきたいと思います。建物はいつか壊れます。なくなるわけですよね。なくなってしまう前にいろんなことを考えて町並みを──点ではなくて線になり面になっていくような町並みを考えていただきたいと。古いものばかりを残せと言っているわけではございませんので、そういうことではないんですけれども、利活用していい町並みをつくり上げていただきたいと思います。 次に、4番目、市民共創のまちづくりの推進についてお伺いしたいと思います。 西部地区再整備事業では、市民と行政が連携して共創によりまちづくりを進めていくということとしておりますが、これまでどのように取組を進めてきたのか。また、今後どのように進めていきたいのか、お伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 共創のまちづくりについてのお尋ねですが、再整備事業では共創のまちぐらし推進プロジェクトの実施により、市民、企業、団体等と行政が連携して、共創による取組の検討、実施、検証を行う仕組みを構築することとしており、令和2年度に学識経験者関係団体等で構成するまちぐらし検討会議を設置し、定期的に再整備事業の方向性や具体的な進め方について御意見、また評価などをいただいてきたところであります。 また、地域でのまちづくりの機運を高める取組として、まちづくり会社の設立に合わせたシンポジウムや専門家を招いての意見交換などを市民等の有志の実行委員会と連携し実施してきたところであります。 今後につきましても、市民、企業等のまちづくりへの関心を高め、持続的に町に関わる人材を育てるための学びと実践の場を提供しながら、自主的・主体的にまちづくり活動に関わっていく協力関係を構築し、共創によるまちづくりの推進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 分かりました。共創という言葉も最近出てまいりました。官民共同事業とかって言っていたと思ったんですが、共創のまちづくりということで進めていくということで分かりました。 では、西部地区の再整備事業の町会活性化プロジェクトでは、これまでどのような取組が進められてきたのか、また、今後どのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 町会活性化プロジェクトについてのお尋ねでございます。 本プロジェクトは、学生や市職員など町会活動の新たな担い手と町会が共同で町会の課題解決や活性化につながる取組を企画・実施するものでございますが、これまで子育て世帯の町会活動への参画を目的とした元町町会でのイベントや、弁天町を拠点として地域活動を実践している学生と共同で子供向け勉強会レクリエーション等を実施してきたところであります。 新年度は新たに青柳町会との取組を予定しているところであり、今後は西部地区内の複数町会による取組や共創のまちぐらし推進プロジェクトと連携した取組などについても実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 分かりました。青柳町会って新聞報道なんかでも、役員さんが入れ替わって若い人たちが役員をやって運営しているとお聞きいたします。最近はやっぱり役員さん不足で苦慮している町会が多いと思いますね。こういう楽しいイベントやプロジェクトをやっていると、人はそこに集まってきますよね。町会活動の見直しにもつながると思いますので、積極的に楽しいことをいっぱいやっていただきたいと思います。期待しております。 では、市民共創のまちづくり推進の次でございますが、御答弁にもあります新たに設立いたしましたまちづくり会社──はこだて西部まちづくRe-Designは、共創のまちづくりにどのように関わっていくのでしょうか、お伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐賀井学) まちづくり会社の関わりについてのお尋ねでございますが、株式会社はこだて西部まちづくRe-Designは、再整備事業基本方針に基づく街区の再整備など、主にハード整備を事業目的として設立されたものでありますが、事業を進めるに当たっては、地域の実態や地域が抱える課題を把握し、基本方針に将来像として掲げている西部地区ならではまちぐらしのイメージを本市や市民等と共有しながら各種事業に取り組むこととしております。 こうしたことから、まちづくり会社では共創のまちぐらし推進プロジェクトへの取組にも積極的に関わり、また、会社独自に地域の企業等と連携した地域の活性化の取組なども実施しているところであり、今後におきましても、地域で暮らす人々や企業、団体等と良好な関係を築きながら共創のまちづくりに関わっていくものと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 分かりました。株式会社はこだて西部まちづくRe-Designの社長さんとお会いいたしましたんですが、とても若い方でいらっしゃって、私は66歳になりましたけれども、西部地域船見町で生まれ育ちまして、函館の町のイメージとなる海、船、北洋船団が出港するのを小さいときから見て育っております。こういう光景を覚えている年代がだんだん少なくなってきている。こういう町のプロジェクトをつくり上げていく人たちって、そのイメージがないわけですよね。ここを大事にしたいと思いまして、最近では古い函館の写真なんかも展示されたりしておりますし、先日、NHKのテレビニュースでやっていたんですが、今、東京都写真美術館では、北海道開拓者が入ってきた頃の函館の写真を展示されているそうなんですね。有名な北海道の写真家で、田本 研造さんが撮った開拓の頃の写真を展示しているということなんです。これは函館市中央図書館に保存されているものなんですけれども、私は初めて見たのでびっくりしております。東京においでの際には5月20日までやっているということですので、御覧になっていただきたいと思いますが、次に行きます。 次は、活性化のためのにぎわいを創出する施設の整備についてをお伺いしていきたいと思います。 西小学校跡地や道営住宅がありましたともえ団地跡地は、西部地区では大変数少ないまとまった広さの未利用地でありますので、市民や観光客、特に子供たちが集まれるような、集客が見込めてにぎわいを創出できる施設整備などが望まれると思いますが、どのような活用を考えているのか、お聞かせください。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 西小・中学校跡地等の活用方法についてのお尋ねでございますが、再整備事業の推進に当たりましては、市とまちづくり会社が緊密に連携し、西部地区全体のエリアマネジメントを行うことで、官民それぞれの施設機能が地区全体に利益をもたらし、町のにぎわいが地域全体に波及するよう取り組む必要があると考えております。西小・中学校跡地や道営住宅ともえ団地跡地につきましては、その活用が地区全体に影響するような重要な敷地であると考えておりますので、民間事業者等へのサウンディング調査なども実施しながら、西部地区全体の活性化につながるような活用について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 分かりました。サウンディング調査を行うということですので、いつから始めるか分かりませんが、新年度ですから御期待したいと思います。工藤市長も方針の中で、この地域のことに関しては今年中にお示しできるのではないかとおっしゃっておりましたので、ぜひとも十分に検討していただきたいと思います。 次に、今後、西部地区では再整備事業とともに各分野における様々な施策が展開されると期待しております。このまちづくり会社はどのように市と連携して施策に関わっていくのでしょうか。それをお聞きしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 市とまちづくり会社との連携についてのお尋ねでございます。 まちづくり会社は再整備事業における空き家・空き地の活用や街区の再整備などを主な事業とするところでございますが、その対象となる建築物や土地の新たな活用・運営に当たっては、同社へ人的・資金的支援を行っている株式会社地域経済活性化支援機構──略称REVICと申しますが──このREVICにおける全国各地での事業実績やネットワークなどのノウハウも活用されるものと考えているところであります。こうした同社の実績やノウハウは、再整備事業のみに限らず、地区の事業者と首都圏の事業者などとの企業マッチングや企業誘致など、市が実施する西部地区に関わる他の施策にも活用できるものと考えており、積極的にまちづくり会社と連携した取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(工藤恵美議員) 分かりました。このまちづくり会社と行政──市がしっかり連携して取り組みたいということを御答弁いただきましたので、御期待申し上げたいと思います。 まちづくりにはこういう会社と行政だけではなくて、市民を巻き込まなきゃいけないと思っております。前回の質問で、官民共同の事業として市長が提唱されておりますガーデンシティ構想の推進に向けて、市民・ボランティアの方々の協力もいただきながら、と企画部長も御答弁なさいました。今回は質問いたしませんが、ぜひとも一人一人の市民の声を聞きながら、参加できるような取組をしていただきたいと要望します。 最後になりますが、株式会社はこだて西部まちづくRe-Designは、資本金5,000万円で設立いたしました。函館の歴史や文化の継承を調査して大切に考えていると社長からもお話をお聞きしました。西部地区のまちづくり──西部地区再整備事業はこれから始まるわけでございますが、長期のプロジェクトになります。市長、どうか多くの皆さんの意見やアイデアなど、たくさんの声を積極的に聞いていただきまして、市民一人一人が参加できるような共同事業を確立していただきたいとお願いいたします。そして、函館市民が町を誇りに思うことのできる持続可能なまちづくりに、ぜひとも取り組んでいただきたいと要望いたします。これからも私もプロジェクトに参加することを申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(浜野幸子) これで、工藤 恵美議員の個人質問を終わります。 次に、12番 板倉 一幸議員。  (板倉 一幸議員質問席へ着席)(拍手) ◆(板倉一幸議員) 民主・市民ネットの板倉でございます。 質問に入る前に、当函館市議会でも決議いたしましたが、ウクライナでの侵略戦争、多くの国民が犠牲になっております。一日も早く収束、終わることを心から願っております。また、昨夜、深夜に発生しました大きな地震、各地で被害をもたらしておりまして、お亡くなりになられた方もいらっしゃるということで、御冥福をお祈り申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げたいと思います。 それでは質問ですが、まず第1点目は、第2期函館市活性化総合戦略とまちづくりについてということで、4月からの新しい年度、これは我々もそうですけれども、市長にとっても任期の最終年度ということになります。市長として総仕上げとするのか、あるいは次の任期の通過点にするのか、その進退について私はお聞きいたしませんから分かりませんけれども、いずれにしても最終年度としてのけじめはつけていかなければならないのではないだろうかと思います。 そこで、函館市のまちづくりの方向性について、この第2期活性化総合戦略を通して質問をしたいと思います。 函館市の最上位計画となる総合計画、基本構想は、その計画年度2017年から2026年、そのちょうど半分が経過したことになります。一方で、その実施計画となる活性化総合戦略は第2期となって、毎年度実績を評価するということになっております。 そこで、昨年12月に令和2年度の評価結果が公表され、重要業績評価指標──KPIの進捗状況、これでは達成度が2、改善が10、その一方、悪化が12ということになっておりますが、このことについてどう判断し、今後の見通しについてどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 総合戦略の評価結果と今後の取組についてのお尋ねであります。 令和2年度から令和6年度の5年間を期間とした第2期函館市活性化総合戦略の令和2年度実績に係る評価につきましては、各施策に係る定量的指標であるKPIの達成度を基に、今年度に内部評価と函館市まち・ひと・しごと創生推進会議による外部評価が行われたところであります。 評価結果といたしましては、一部の事業でイベントやセミナーの開催自粛、緊急事態宣言による移動制限などコロナ禍の影響を受けているものの、全体としてはKPIの達成に向けおおむね順調に事業が推進されているとの外部評価を受けたところであります。しかしながら、本市の人口減少は依然として厳しい状況にありますことから、今後におきましても、人口減少のスピードを少しでも緩やかにできるよう、様々な分野にわたる総合的な取組を継続的に進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 第1期の総合戦略の検証でのKPIもおおむね順調に推移した、一定の成果があった、こういうような評価になっているんですが、なかなか素直に信じるということもできないような気もいたします。 そこで、基本目標の達成度を図るために、二つの数値目標を設定しております。その一つが合計特殊出生率で、これは令和6年度の目標値が1.27であるのに対して、令和2年度は前年比でマイナス0.04の1.14ということになっています。もう一つの数値目標、これは20歳から29歳の市外への転出超過数、これも減少させるという目標に対して増加しておりますけれども、このことについてはどう捉えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 総合戦略における数値目標についてのお尋ねであります。 総合戦略では、人口減少対策の達成度の指標といたしまして、合計特殊出生率と20歳から29歳の市外への転出超過数の二つの数値目標を設定しており、合計特殊出生率につきましては、平成30年の1.23を令和6年には1.27に、また若者の転出超過数につきましては、平成26年から平成30年の5か年の累計2,205人を、令和2年から令和6年の5か年の累計で2,095人まで減少させることを目標としております。 当該目標値の現状といたしましては、出生率が令和2年で1.14、若者の転出超過数が平成29年から令和3年までの5か年累計で2,333人と、それぞれ目標値と乖離がある状況となっており、その要因につきましては、出生数の減少や、進学や就職による若者の転出が計画策定時の想定を上回っていることによるものと認識しております。また、その背景には本市を取り巻く厳しい経済状況はもとより、社会構造の変化や多様性社会の進展などがありますことから、これらを踏まえ、引き続き両目標の達成に向けた総合的な取組が必要であると考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 結果だけを何かおっしゃっているように捉えられるんですが、目標値とは乖離がある状態になっているわけで、その要因について、出生数の減少や若者の転出が想定を上回っていることだとおっしゃっておりますけれども、そのために総合計画ですとか、あるいは総合戦略ですとか、そういったものを策定したのではないですか。これでは計画の意味がないのではないかと思いますけれども、そのことについては何かお考えありますか。 ◎企画部長(柏弘樹) 個々の具体についてのお尋ねでございます。 計画自体、令和2年度から実施されておりますので、常々申し上げておりますけれども、長期的な視点で人口減少対策は講じていかなければならないということでございますので、当然、事業内容ですとか新たな施策ですとか、不足する部分は年々補っていかなければならないと考えておりますが、現状分析ということにつきましては、先ほど申し上げたような状況であるということでございます。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) そのことについて、また後ほど触れたいと思います。いずれにしても計画の実効性の確保、こういったものが求められると思います。 次に、長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、社会情勢ですとか、あるいは社会構造、こういったものが大きく変化しておりますけれども、総合戦略の推進に大きな影響や変化が出てくるのではないだろうかと思われますけれども、このことについてはどのように取り組んでいかれるのでしょうか。 ◎企画部長(柏弘樹) コロナ禍による社会情勢の変化への対応についてのお尋ねであります。 本市の社会、経済情勢は、コロナ禍により今も大きな影響を受け続けておりますが、一方で、デジタル化が加速し、社会全体では業務等の効率化や利便性の向上につながった面もあるほか、働く場所を問わないテレワークが新しい働き方として認知されるなどの変化が生じてきております。そのため、昨年12月の本戦略の改定に合わせ、社会情勢の変化を的確に捉えて、各事業の実施に当たっては柔軟に対応するといった新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた本戦略の推進の考え方についてという項目を新たに盛り込んだところでありまして、今後におきましては、この考え方に基づき、本戦略の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 少し推移を見ることにしたいと思います。 次に、現在の市の活性化施策、先ほども西部地区での再開発事業についてのお話もあったわけですけれども、最近は駅前・大門地区ですとか、あるいは西部地区、あるいは湯川地区、こういったようなところに集中しているように見えるわけですけれども、それが市域全体の活性化にどうつなげていけるのか、あるいは他の地区での活性化策、こういったものについてどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) まちづくりについてのお尋ねであります。 本市におきましては、現在、西部地区では昨年設立したまちづくり会社などとの連携による居住と観光が融合したまちづくりが動き出し、また駅前・大門地区では駅前東地区の再開発に合わせて新たに東雲広路や高砂通りにおいて回遊性が高まる歩行空間の整備等を行うほか、湯の川地区ではガーデンシティの取組として道路の美装化などを進めているところであります。 これらの取組につきましては、その特定エリアだけではなく、町全体の魅力向上やにぎわいの創出、経済の活性化などにつながるものでありまして、今後におきましても、快適で魅力あるまちづくりに向けて、各地域の特性を生かした町の整備等に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 先ほどの同僚議員のやり取りでもガーデンシティのお話が出ました。函館市には立地適正化計画ですとか、いろいろな個別の計画、構想、こういったようなものがたくさんあると思います。今回は時間の関係で質問はいたしませんけれども、そういったものが市民生活ですとか、あるいは自分たちにとって重要な意味を持つというような意識の共有がなければ、そうした計画ですとかあるいは事業ですとか、そういったものは成功しないと思いますけれども、その意識の共有を図っていくということなどについて、どう考えて取り組んでいかれるのか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) まちづくりに関わりまして、市民の意識の醸成ですとか周知ということでのお尋ねだと思います。 まちづくりを進めていく上では、当然市民の皆様の御理解と御協力が不可欠であるということになりますので、これまでも市の取組につきましては、市長の記者会見のほか市政はこだてや市のホームページなどを通じて周知を図ってきたところでありますが、今後におきましても、本市のまちづくりの取組につきまして、市民の皆様に御理解していただきますよう、様々な機会を捉えて努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) まだまだ不十分だというかもっとやっぱり理解を求めるようなことをしていかなければならないと思います。特に、そういった計画を推進するということに対して、市民の理解といいますか、市民が同じ気持ちになって進めていくというようなことが必要だと思いますので、その辺のところについては十分注意して進めていただければと思います。 それでは次に、新たな地域公共交通計画についてお尋ねしたいと思います。 このことについては予算特別委員会でも議論がありました。現在の函館市地域公共交通網形成計画、通称網計画と呼ばれておりますけれども、函館市においては平成27年度から36年度までを計画期間として取り組んできました。公共交通を取り巻く情勢、私が申し上げるまでもありませんけれども、大変厳しく、特に新型コロナウイルス感染症の影響、社会環境の変化、こういったものも大きく影響しておりますから、一層強力に取り組んでいかなければならないと考えております。 そこで、市としてこの新しい地域公共交通計画を策定するわけですけれども、その必要性についてどういう考えの下で策定しようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 新たな地域公共交通計画の策定の必要性についてのお尋ねであります。 近年、我が国では人口減少や少子高齢化の進展のほか、運転者不足の深刻化等に伴い、公共交通の維持・確保が厳しい状況になる一方、高齢者の免許返納が年々増加するなど、地域の暮らしと産業を支える移動手段を確保することがますます重要となってきております。このような中、本市におきましては、まちづくりと連携した地域公共交通ネットワークの形成や、地域における輸送資源の総動員を図り、持続可能な旅客運送サービスの確保を目的に新たに地域公共交通計画を策定しようとするものであります。また、この計画では、路線バスの維持に関する国庫補助につきましても、補助対象路線の計画への掲載が必須とされるなど、計画と補助制度の連動化を図ることで効果的な支援を受けながら路線の維持を図るものであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 分かりました。 それで次に、人口減少ですとか、あるいは少子高齢化、こういったものに加えて、先ほどもお話を申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症の長期化によって、電車ですとかバスですとか、あるいはタクシー、鉄道、こういったもの──航空もそうですけれども、とりわけ地域の公共交通、こういったものが甚大な影響を受けているわけで、それをどう維持していくのか、新たな計画ではどう取り組んでいこうとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 今後の公共交通網の維持についてのお尋ねであります。 市におきましては、現在、函館市地域公共交通網形成計画に基づき、持続可能な公共交通網の構築に向けた取組を進めておりまして、とりわけ路線バスに関しましては、これまで美原地区路線バス乗降場の整備のほか、交通系ICカードの導入や系統番号の見直し、路線の再編などを実施してきたところであります。しかしながら、公共交通を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化はもとより、コロナ禍により人々の行動も変化するなど、年々厳しさを増してきておりますことから、今後におきましては新たに地域公共交通計画の策定作業を進める中で、電車やバス、タクシーなど様々な輸送資源の有効活用について関係団体、事業者と協議を深めながら、公共交通網の維持に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) しっかりと計画をつくっていただきたいと思います。今の網計画で十分だったかというと必ずしもそうでないと私は思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 では、新しい地域公共交通計画ですが、どのようなスケジュールで進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 計画策定のスケジュールについてのお尋ねであります。 まず、令和4年度におきまして、地域公共交通計画策定の主体となります、市、交通事業者、学識経験者、市民団体などで構成する仮称函館市地域公共交通協議会を設置しまして、市内交通の現況調査や本市が抱える交通課題の整理を行うとともに、新たな交通需要の調査のため、低速電動車両──グリーンスローモビリティを活用した実証運行を実施することとしております。 また、令和5年度には、令和4年度実施の交通需要調査等の結果を踏まえ、同協議会において市民意見を可能な限り取り入れながら、具体的な実施施策を協議し、計画素案を取りまとめた後、市議会にお示しをし、パブリックコメント手続を経た上で、令和6年度から5か年を計画期間とする地域公共交通計画を策定しようとするものであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) ただいまの答弁の中で、仮称函館市地域公共交通協議会、こういったものを設置して、いろいろとそこでの議論が行われると、協議が行われるということのようですけれども、現在、生活交通協議会という協議会が法定で設置されておりますけれども、これと違うものなのか、構成はまた変わるのか、そういったことについて、現時点ではどういうふうに考えているのでしょうか。 ◎企画部長(柏弘樹) 新たな協議会についてのお尋ねであります。 令和2年、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正されまして、地域公共交通計画の策定が地方公共団体の努力義務とされました。この法改正に伴いまして国が制度改正し、協議会が計画策定の実施主体となることで、関連する調査事業等が国庫補助の対象になると、そういうことで協議会の役割が一層重要となったところであります。 こうしたことから、国庫補助金の受入れなどを含めまして、協議会が主体となって事業を実施していく必要がありますことから、現在は、市の附属機関としての位置づけとなっております函館市生活交通協議会、これを構成団体はそのままに、改正後の法に基づく仮称函館市地域公共交通協議会に移行しようとするものであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 分かりました。今後の議論にも参加してまいりたいと思います。 それで、中心市街地活性化基本計画ですとか、あるいは網計画の中間評価ですとか、こういったものを見させていただいて、中活の事業実施のときにも、いろいろと質問いたしました。 この再編実施計画の中でも実施すべき事業になっていますバス停の整備についてですけれども、特に駅前・大門地区ですとか、中心市街地での整備が進んでいないと思いますけれども、今後どのように進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) バス停の上屋整備についてのお尋ねであります。 現在、市内に設置されているバス停につきましては、上屋が設置されているバス停が少ないため、現在の計画におきましても、待合環境の改善を図る観点から、基本的にはバス事業者において交通結節点や乗降客数の多いバス停を対象に、優先順位をつけながら、計画的な上屋整備を進めることとしております。 市といたしましても、令和2年度に美原地区路線バス乗降場の整備を行うなど、バスの待合環境向上に努めてきたところでありますが、今後におきましては、新たな地域公共交通計画においても、引き続き、未整備となっているバス停上屋の整備を位置づけながら、バス事業者と連携し、利用者の待合環境の改善に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) これは、これまで何度も議論をさせていただいてきました。谷口副市長は、企画部長あるいは経済部長でもありましたし、平井副市長は中活担当部長でもあったと思いますけれども、そのときに事業を行っていれば、中活の補助ですとか、そういったものを使いながらできたのではないんだろうかと。 函館市中心市街地活性化基本計画事後評価、こういう中では電車の停留場整備、観光案内所の端末、超低床車両の導入、電動アシスト付き自転車レンタルサービス、Wi-Fi環境整備、こういったものは実施事業完了となっておりますが、バス停の上屋整備事業だけ未実施となっておりました。 公共交通網形成計画の中間評価でも、やはり確かに美原地区での乗降場の整備は行われましたけれども、しかし、松風町ですとか駅前・大門地区辺りのバス停の整備というものだけ遅れていると思います。そこだけ済んでいないということで、いつまでも放置しておくのかという思いがあります。もう少し具体的に答えるべきだと私は思いますけれども、これはどう考えていますか。 ◎企画部長(柏弘樹) バス停の上屋整備についての再度のお尋ねであります。 市の中心市街地活性化基本計画におきましては、利用者の利便性向上と町並み景観の向上、さらには安全・安心な都市空間の創出を図っていくため、デザイン性が高く、安全で利用しやすいバス停留所の整備、これを計画しておりましたが、当時、整備に係る必要な協議が整わなかったことから、実施には至らなかったものと承知しております。 今後におきましては、先ほども御答弁させていただきましたが、新たな計画においても、引き続き未整備となっている上屋の整備を位置づけながら、バス事業者と連携し、利用者の待合環境の改善に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 先ほどの活性化総合戦略もそうですし、この公共交通の整備もそうですけれども、何のための計画なのかと。 昨日、同僚議員が、検討する、検討すると、いつまで検討しているのかと批判しておりましたけれども、できないものだったら計画に入れなくてもいいのでないかというぐらいに思われることです。検討するとか、あるいは実施するとか、こういうことを長年、計画の中に入れていながら実現できない、こういうのは大変不誠実だと私は思います。 今日はこの程度にとどめておいて、また次回、具体的なことも含めてお聞きしたいと思いますし、函館バスの現状といいますか、今の社内で起こっていることなども含めて、少しお話をさせていただきたいと思います。 それでは次に、財政の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。 先頃、今後の財政の見通しが発表されました。先日の総務常任委員会でも議論されたようですけれども、その見通しを見てみますと、人口減少の影響で歳入全般の先行きが不透明で、依然として予断を許さない状況だという見通しになっておりますが、改めて今後の見通しについて質問していきたいと思います。 私個人は、新型コロナウイルス感染症の影響が地域で続いて、地域経済が非常に厳しい状況にあると認識しているわけですけれども、実際には2022年度の予算では、市税収入が前年比12億円増、地方交付税が24億円増、こういったものを見込んでおりますけれども、予算が増額になった理由、または増額できるという判断をした理由についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎財務部長(川村義浩) 予算規模が増になった理由ということでのお尋ねでございますが、一般会計における令和4年度当初予算につきましては、令和3年度当初予算比31億3,000万円の増と、率にしますと2.3%増の1,374億3,000万円となったところでございます。 歳入が増額となった主な理由といたしましては、市税や地方交付税等の経常一般財源につきまして地方財政計画などを勘案し、前年度予算比12億円の増と見込んだほか、プレミアム商品券発行事業や南茅部中学校校舎等新築事業などの財源であります国・道支出金で約11億6,100万円の増、感染症対策や公共施設の維持補修などの財源としての基金繰入金で約6億3,300万円を増額したことなどによるものでございます。 なお、新年度予算編成では、これらの財源を活用し、感染症対策に引き続き対応するとともに、福祉拠点づくりや子育て支援、市民の健康づくりなどをはじめといたしました市民一人一人に寄り添うための各種施策を盛り込み、前年度と比べ増額となる予算を編成したところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 新型コロナウイルス感染症による財政への影響、これが予想より少ないことに私個人としては意外な思いがあります。 次に、人口減少が与える影響ですけれども、同時に発表されました行財政改革プランでも、人口動向に触れておりますけれども、昨年も3,785人減少するということなど、減少幅が拡大しておりますから、人口減少が財政に与える影響、さらには今後の見通し、そこについては、どう認識しているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎財務部長(川村義浩) 人口減少が財政に与える影響に関わってのお尋ねでございますが、人口減少が本市の財政に与える影響といたしまして、最も大きいものと考えておりますのが、人口を算定の基礎としております普通交付税でございまして、令和2年の国勢調査による人口減少の影響によりまして、5年間で段階的に減額されることとなっております。 初年度である令和3年度決定額では、約6億9,000万円の影響額となり、2年目である令和4年度予算におきましては、約7億7,000万円の影響額を見込んでいるところでございます。 また、市税につきましても、人口減少が進む中、ほぼ横ばいで推移してきた課税人員が、いよいよ数年後には減少傾向になるものと予測しており、財政構造上、市税収入が少なく、国の制度に左右される交付税等に依存している脆弱な体質であります本市の財政にとって、人口減少が与える影響は、今後ますます大きくなってくるものと認識してございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) その認識に、私も違いはありません。 それで、相変わらず交付税依存体質だと評価しているわけですけれども、国の財政も膨らまし続けていますから、いずれパンクする危険性があるだろうし、あるいは新型コロナウイルス感染症が収束したときに、その対応に集中している費用というか経費がどういうふうになっていくのか、その辺のところもまだ分からないというような状況があるとは思うんですが、この交付税依存体質から脱却するためには、市税ですとか、あるいは交付税を除いた自主財源、こういったものを増やしていくべきだと思いますけれども、それについては、どう考え、あるいは、どう取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎財務部長(川村義浩) 自主財源を増やす取組ということでのお尋ねでございますが、本市では、これまでも広告収入やふるさと納税などの自主財源の確保の取組を進めてきたところでございますが、国の制度に左右される地方交付税等に依存する本市の財政構造におきまして、限られた財源で福祉拠点づくりや子育て支援、市民の健康づくりをはじめ、様々な市民ニーズに対応していかなければならないことから、各種施策の見直しなどの歳出抑制を進めることはもちろんのこと、自主財源の確保・拡充を図ることは重要であると考えております。そのため、新たな行財政改革推進プランにおきましても、自主財源確保の検討を取組項目の一つとしておりますので、安定的な自主財源の下で活発な施策展開が可能となるよう、新たな財源の確保に向けた検討を継続してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 今日は時間の関係で詳しくこのことについて触れませんが、後ほどまた具体的な自主財源の取組といいますか、こういったものについても質問させていただく機会を得たいと思っています。 先ほど質問いたしました人口減少の問題ですけれども、この人口ビジョンを見てみますと、2025年は23万人を少し上回る推計となっていて、中位推計では、その5年後の2030年は22万人との予測になっておりますけれども、最近の減少数を見ていますと、実際現実には、もう少し下がるのではないかと私自身は捉えています。どの程度の影響が現れるのか。 一方で、社会保障・人口問題研究所──社人研の人口推計では、函館市は2020年に老年人口のピークを迎えると、減少に転ずるというような予測も出ているわけですけれども、財政の見通しでは、高齢化による歳出が増加していますけれども、歳出への影響など、将来的な財政状況についてどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎財務部長(川村義浩) 将来的な財政見通しということでのお尋ねでございますが、先日公表いたしました今後の財政見通しにおける現行推計収支につきましては、これまでの人件費、公債費の縮減などの行財政対策の取組のほか、定年の段階的な引上げに伴う基金を活用した退職手当支出の負担平準化の対応により、令和8年度までは黒字の収支となる見通しでございます。 それ以降の将来的な見通しということでのお尋ねでございますけども、定年の段階的な引上げの経過措置期間であります令和13年度までは、退職手当が一定程度抑制されますほか、これまで増加傾向でありました、今、議員のほうからもお話がございました社会保障関係経費の伸びが、人口減少の影響によりまして一定程度収まるものと想定されますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、市税や地方交付税などの経常一般財源は引き続き減少が見込まれるほか、逆に、定年引上げによる職員給与費の増加というものも見込まれますことから、長期的には厳しい財政状況になるものと認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 10年間は定年延長で退職手当が一定程度抑制されると、このことで財政的には少し、余力とまではいかないでしょうけれども、何とか保てる。しかし一方では、職員給与費の増加というようなことですとか、あるいは社会保障費といったものも、一定程度まで伸びていくということになるのでしょうから、まだまだ厳しいというようなお考えが示されたと思います。 財政全般とすると、基金に頼らない財政運営を行うというようなことに対しては評価してもいいと思いますけれども、市長がおっしゃっている、市民が今後に向けて希望が持てるような予算、こういうようなことについては、これまでの財政運営が市長本人の思いが実現した財政運営になっているのかどうか、今日時点ではまだ新年度は始まっておりませんから、いずれお聞かせいただきたいと思っています。 これで、財政の見通しについては終わらせていただきたいと思います。 それでは最後に、図書館の役割とまちづくりについて質問いたします。 最近は、図書館の集客力ですとか、あるいは認知度、こういったものから、まちづくりに果たす役割の高さ、こういったものに注目が集まっています。そのことの直接的な認識については後ほどお聞きしたいと思いますが、まず、図書館がそもそも持つ役割といいますか、そういうことについて解説するときに、いろいろと議論させていただいた亀田交流プラザの図書コーナーについてお尋ねしたいと思います。 亀田交流プラザは開設から丸2年になりますけれども、施設の中にある図書コーナーについて、まず蔵書数ですとか、あるいは貸出数ですとか、そういったものについてはどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 亀田交流プラザの蔵書数と貸出人数などについてのお尋ねでございます。 亀田交流プラザの蔵書数につきましては、令和2年度のオープン当初に、1階の図書コーナーに3,000冊、2階の児童図書コーナーに1,500冊、合計4,500冊の図書を配置したところでございます。その後も図書を購入し、蔵書数を増やしておりまして、本年1月末日現在の蔵書数は4,958冊となっております。また、図書の貸出人数及び貸出冊数につきましては、オープンから本年1月末日までの実績で申し上げますと、貸出人数が1万4,412人、貸出冊数が3万809冊となっております。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 蔵書の数は1階、2階合わせてですけれども4,958冊で、貸出人数、冊数、これはオープンからということですから、ほぼ2年でということになるのでしょうが、1万4,412人で、貸出冊数が3万809冊というようなことになっているということで、当時の美原図書室があったときと比較いたしますと、蔵書でいきますと、美原図書室は平成29年度末で約2万7,000冊、貸出人数が1万9,663人で貸出冊数が約7万1,300冊となっておりましたから、そういう意味では、おおむね2割くらいということになるのでしょうか。 後ほどお話をしますが、図書館機能、こういったものは残ると、当時のいろいろやり取りも再度読み返してみたりしました。 私は、図書館を減らしていくとかやめていくとか、そういったことについてはすべきでないと申し上げてきましたけれども、現状の亀田交流プラザの図書コーナーというのは、美原図書室の代替施設──代わりの施設になり得ているのかどうか、教育委員会ではどう考えているのかを、お聞かせいただきたいと思います。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 亀田交流プラザの図書コーナーが美原図書室の代替施設になり得ているのかというお尋ねでございます。 美原図書室につきましては、中央図書館との位置関係などを踏まえ廃止したところでございまして、その代替機能として亀田交流プラザに図書コーナー及び児童図書コーナーを設置したわけではございませんが、結果といたしまして、利用者の皆様には一定程度のサービスが提供できていると考えております。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 議論を矮小化しないでいただきたいと思うんですね。教育委員会が押しつけたというわけではない、言葉はちょっときついですけれども、そういった議論で正当化をするというような、どこかの国のプロパガンダのような、そんな表現はやめていただきたいなと思います。 ただ、そのことを議論をする時間は今ありませんので、また別の機会にさせていただきたいと思いますが、なぜこういう質問をさせていただいているのかといいますと、今、旧棒二森屋跡地で再開発を行うということで、そこの公共施設部分に図書館機能を持った施設整備を行ってほしいという要望が出ていると思いますけれども、教育委員会として、図書館機能を持った施設ということについてはどのように受け止めているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 棒二跡地の再開発事業における公共施設整備についてのお尋ねでございます。 函館駅前東地区市街地再開発準備組合から市に対しまして要望がありました、図書機能及び交流機能を有する公共施設の設置につきましては、再開発事業による、この地区のにぎわい創出効果をより高めるためにも必要だという市の考え方を昨年9月に市議会にお示ししておりますが、これは教育委員会も含めた市全体の考え方でございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 市全体が同じ考えであるということですけれども、それでは、図書館がまちづくりに果たす役割、このことについてはどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 図書館がまちづくりに果たす役割についてのお尋ねでございます。 本市の中央図書館及び地区図書室などの平成30年度の図書の貸出人数は29万人を超えておりまして、館内閲覧や調べもので訪れる方も含めますと、相当数の利用があると思われますので、教育委員会といたしましては、図書館は非常に集客力の高い社会教育施設であると考えております。 全国的には、中心市街地に集客力の高い図書館を設置したことによりまして、中心市街地の再生及び図書館へのさらなる来館者の増というシナジー効果を得た事例がございます。 図書館は公共交通の結節点など、まちづくりの中心にあることによりまして、市民の読書活動を推進し、さらには誰もが住みやすいまちづくりに寄与する大切な施設であると認識しております。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 大分この公共施設について、教育委員会としては、そうした図書機能というよりは図書館となるべき──そうなるのであればそうなるべきだと思いますけれども、そうであるならば、話がまた戻って恐縮ですけれども、亀田交流プラザを建設する際には、図書館、当時は図書室でしたが、それをしっかりやっぱり残しておく必要があったのでないだろうかと思います。前のことを申し上げてもこれは詮ない話ですから、そういう思いがあります。 それで、そうであるならば、町なかでの図書館というのは、こういった亀田交流プラザのような形になるというようなことはやめてほしいと思っておりますけれども、あまりはっきり申し上げることはできないかも分かりませんけれども、そうした機能といいますか、蔵書ですとか、貸出ですとか、そういったようなことを確保していくことについては、教育委員会としてこの議論の中で求めていくということになるんでしょうか。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 棒二跡地の再開発事業で整備される公共施設の図書館機能についてのお尋ねでございます。 教育委員会といたしましては、棒二跡地の再開発事業の公共施設に図書館機能を持たせることになった場合につきましては、地区図書室と同様の機能を有したものを望んでいるところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 私が心配しているのは、近くに千歳図書室がありますよね。建設してからまだ17年くらいしかたっていない大変新しい施設ですけれども、私の基本的な考えは──ここは教育委員会のお話ですから、直接関係ないんですが──新しい今度の公共施設というのは、幾つもの施設を統廃合するような施設であるべきではないと思っているんですよ。亀田交流プラザのように、5つの施設を統廃合するというような施設になってほしくないと思っているんですけれども、ただ心配なのは、そうした場合に、千歳図書室が非常に近いところにあるということになっておりますから、まだその公共施設をどういう目的で、建設、整備するのか、あるいはそこに図書館が入るのか、図書館機能を持たせるのか、そういったことも決まっていませんから、今の時点で何とも言えないと思いますが、この千歳図書室の今後といいますか、そのことについて、今の時点で何か教育委員会として考えはあるのでしょうか。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 千歳図書室の今後のことについてのお尋ねでございますが、板倉議員からいろいろとお話がございましたけれども、板倉議員からお話があったように、まだ正式に庁内で政策決定しているわけではございませんので、今どうなるかということは申し上げることができないという状況でございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) そうおっしゃるだろうと思いましたが、もう少し議論が進んできた時点で、その関係についても、あるいは図書館機能を持たせるというようなことになったとするのであれば、その中身についても議論させていただきたいと思います。 これで私の質問を終わります。 ○議長(浜野幸子) これで、板倉 一幸議員の個人質問は終わりました。 ここで、再開予定を午後1時として、休憩いたします。          午前11時35分休憩  ======================          午後 1時00分再開 ○副議長(道畑克雄) これより会議を再開いたします。 休憩前の議事を継続し、個人質問を続けます。11番 富山 悦子議員。  (富山 悦子議員質問席へ着席)(拍手) ◆(富山悦子議員) 日本共産党の富山 悦子です。 私は、大きく2点について、市長並びに教育長に質問いたします。 1点目は、第6波における新型コロナウイルス感染症対策についてです。 新型コロナウイルスオミクロン株の感染拡大は止まりません。さらに、新型コロナウイルスオミクロン株の派生株BA.2が、道内でも確認され、市中感染の可能性も懸念されています。国立感染症研究所などからは、現在のオミクロン株より感染力が強いとされるこの派生株BA.2の患者が確認され、発症までの期間も現在のオミクロン株より半日早い2.68日と報告されています。 海外では、昨年の11月後半から、オミクロン株が流行し、世界保健機構もオミクロン株を早くから懸念される変異株に指定していました。政府の第6波に向けた感染対策は後手後手となり、3回目のワクチン接種の遅れ、PCR検査や抗原検査の不足などが重なり、若い層に爆発的に感染が広がりました。 オミクロン株の特徴は、無症状感染の割合が高いことで、デルタ株で40%、オミクロン株で80から90%と言われています。若年層を中心に肺炎症状がなく、軽症、無症状感染が大半です。しかし、感染の急拡大に伴い、高齢者の感染も増加し、ワクチン未接種で特に基礎疾患がある場合には、感染がきっかけで重症化リスク、死亡リスクが高くなっています。全国では2月16日時点で感染者数は9万1,051人、死者数が230人、自宅療養者数57万人を超えたと報道されています。道内では、2月10日には過去最多の感染者数4,097人となり、2月下旬には2,000人近くに半減するも、依然として高止まりの状態が続いています。 1月27日に始まった新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置は、医療の逼迫を懸念し、解除を2回延長しましたが、感染者数が横ばい状態の中、この21日には解除となります。今、市内の状況は、小・中学校での感染拡大や医療機関、介護施設、保育所などのクラスター発生が続いております。 それでは、函館市の感染状況について、順次質問いたします。 今年1月からオミクロン株の感染状況と、感染者数、死亡者数、年齢別の感染率や症状別の割合、特徴など、また、直近の陽性率や病床使用率、ホテル療養、自宅療養者数についても伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) オミクロン株の感染状況についてのお尋ねですが、今年1月から3月12日までの市内の感染状況ですが、感染者数は6,193人で、そのうち、死亡者数は26人となっておりまして、年齢別の特徴としては、1月は60歳未満が88.5%を占め、60歳以上は11.5%と若い方中心の感染状況でしたが、2月以降では60歳未満が79.3%に対し、60歳以上が20.7%となり、全国的な傾向と同様、高齢者の増加が見られてきているところでございます。 また、症状別では、無症状が902人、軽症が5,248人、中等症が42人、重症が1人で、99%を超える方が無症状か軽症となっておりまして、中等症・重症では60歳以上の方が95.2%を占め、高齢者の方の症状が重い傾向となっております。 また、3月11日現在の陽性率は30.7%、病床使用率は23.8%、宿泊療養数は62人で18.8%、自宅療養者数は472人となっているところでございます。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 1月以降、3月12日までの第6波に入ってからの感染状況は、合計で6,193人、死亡が26人、月別感染者数は、1月が1,505人、2月は3,873人、3月に入ってこの12日まで815人の感染状況です。2月が最多の感染者数でした。 答弁にもありましたが、年齢別感染者数は、1月以降60歳未満が88.5%と若い層に多く、2月以降は、全国的な傾向と同様に、60歳以上の高齢者は20.7%と増加傾向にあることが分かりました。 症状別では、無症状・軽症が99%を占め、中等症42人、重症が1人ということで、60歳以上の方で95.2%を占めています。最近では3月11日現在のオミクロン株陽性率30.7%と高く、市中感染の拡大が予想されます。 病床使用率は23.8%、宿泊療養数18.8%に対し、自宅療養者数が472人でこれは感染者数の7%と大変多く感じられます。 資料を見てください。 上のグラフは日々の陽性者数で、2月8日は最多の228人でした。下のグラフは陽性率です。陽性率は、感染者数に対し検査数で計算いたします。一番高い陽性率は、2月12日67.9%です。高い陽性率が続いています。これは検査数が少ないため、無症状感染者を捉え切れず、実際の感染者数は分からないということになります。 次に、自宅療養者の急増の原因と入院、宿泊療養、自宅療養の基準について伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 自宅療養者などについてのお尋ねですが、自宅療養者数の増加は、感染者数の増加に伴うものでありますが、入院、宿泊療養、自宅療養の基準につきましては、原則中等症以上の方や重症化リスクの高い方を入院とし、軽症・無症状の方は、同居の家族の状況などを把握し、本人の希望を聞いた上で、宿泊療養、もしくは自宅療養としているところでございます。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 新型コロナウイルスオミクロン株の特徴として、感染のスピードが速いこともあって、1月22日から、保健所業務の逼迫を避けるため、濃厚接触者を特定する積極的疫学調査の対象を、同居家族や医療機関、介護施設など重症化リスクの高い施設などに限定して、それ以外の濃厚接触者へは感染者本人が連絡する体制となりました。感染が軽症であることから、自宅療養、宿泊療養の選択性、濃厚接触者の待機期間も10日間から7日間など、今基準が変わったと理解しております。 次に、自宅療養者への食料品などの支援の流れはどのようになっているか伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 自宅療養者への食料品などの支援についてのお尋ねですが、市民の方がPCR検査などで陽性が判明した場合、保健所から、症状や家族の状況などを十分にお聞きし、状況を把握した上で、自宅療養となった方に対し、必要に応じて市内スーパーなどで調達した食料品・日用品の自宅療養セットを配送業者に委託して、陽性が判明してから二、三日中にお届けしているところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 自宅療養者は外出自粛となります。たくさんの声が届いております。子供を通じての家庭内感染で自宅療養した方は、函館出身でなく、頼る家族もなく、食料の確保が大変だった。家庭内で次々と家族に感染が広がって、高熱と倦怠感もある中、食事はデリバリーを利用して出費がかさんだ。また、家庭内感染などで自宅療養を余儀なくされています。最初は濃厚接触者が感染していないので、必要なものの買い出しができました。最終的に家庭内感染で全員感染し、半月以上も外出できず、食料支援はとても助かりますが、すぐにでも届けてほしい。このときはすぐに届かなかったんです。この食料品などは、この方のところへは自宅療養後半に来たそうです。 次に、自宅療養者が保険会社への請求に必要な療養期間を証明する書類、これは療養終了後どれくらいで発行されているのか伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 療養期間を証明する書類についてのお尋ねですが、新型コロナウイルス感染症の患者の方が療養を終えられ、保険会社の医療保険等の入院給付金を請求される場合に、療養期間を証明する書類が必要となるものでありますが、証明する書類につきましては、病院に入院した方は、退院時に病院に求めることができますほか、宿泊療養施設の入所者には退所時に施設から配付され、自宅療養者の方には、療養終了後、おおむね2週間程度で市からお送りしているところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 2週間ですね。 このことにも市民の声が届いております。自営業の方なんですが、生命保険の請求に対し、自宅療養証明書が必要ということで、発行を保健所に求めましたが、それが何と2か月かかると言われました──2か月から3か月ですね。ぜひ、2週間と言わず、できるだけ早く出してください。自宅療養者は決まっているんです──10日間ということで決まっておりますので、ぜひこの点、検討してください。 次に、クラスターの要因と対策について伺います。 今年1月以降に発生したクラスターの発生要因と対応について伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) クラスターの状況などについてのお尋ねですが、今年1月以降のオミクロン株によるクラスターにつきましては、これまで41件発生しているところですが、内訳といたしましては、医療機関で8件、福祉施設で18件、学校・保育所等で10件、事業所等が5件となっております。 原因につきましては、施設内や職場において、マスク着用などの感染予防対策が十分ではなかったことのほか、特に福祉施設では職員が市中や家庭内で感染し、そこからマスクの着用などが難しい施設利用者に感染し、オミクロン株の感染スピードの速さから、クラスターとなる事例が多く見受けられたところであります。 本市では、クラスターが発生した施設に対し、基本的な感染対策や職員の体調管理の徹底などの衛生指導を実施するほか、必要に応じて感染症対策の専門家を当該施設に派遣し、感染管理指導を行っているところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 第5波のときまでのクラスターは27件でした。この第6波になってからの41件の発生は非常事態と言えるのではないでしょうか。 最初は、医療機関、福祉施設に集中していましたが、今は学校、保育所にシフトしています。医療機関での感染は、本来の病院機能が低下することになりますので、感染対策は非常に大事です。医療機関のクラスター発生の教訓として、雑誌に紹介されておりました。医療機関での感染対策を徹底していても感染防止が難しい。何が重要かと言えば、職員に対する啓蒙や注意喚起、標準予防策の教育実践、そして、広い範囲での検査体制の強化が不可欠と言っております。保健所は、クラスターが発生した施設に対し、基本的な感染対策を行っていると答弁しております。私は、検査の徹底が本当に大事だと繰り返し述べてきましたので、強くこれは要望していきます。 次に、国や道のクラスター対策専門家の派遣の理由と、指導内容及びその効果について伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) クラスター対策専門家の派遣についてのお尋ねですが、今年1月下旬以降、市内の医療機関や福祉施設でクラスターが発生し始めたことから、市民への医療と福祉の安定的な提供に資するため、クラスター専門家の派遣について北海道に要請したところであります。専門家の方々には、全国的・全道的なクラスターの発生に伴い、各地域を回っておられる中、厚生労働省DMAT事務局から、医師など4名、道内大学と道から医師2名の計6名の方々に、2月13日から3月1日まで交代で来函いただき、5医療機関と8福祉施設に対し、施設のゾーニング、導線の確認、人的資源や物品の確認、施設内の情報共有、収束予定日の明示など、ノウハウに基づく指導助言をいただいたところであります。 効果といたしましては、専門家の指導を受けた各医療機関や施設において、感染管理対策が向上したことはもとより、当該専門家とホットラインにより、継続して相談が可能となり、市内の他の施設の指導にも活用できるようになるなど、市内全体の感染管理対策の向上も図られたものと考えております。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 当該専門家とホットラインで、継続して相談が可能となったと。本当によかったと思います。この効果については、今後に期待したいと思います。 次に、検査体制の強化について伺います。 市内の高齢者施設等の従事者への検査について、来年度も必要だと思いますが、お考えを伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 施設従事者への検査についてのお尋ねですが、社会福祉施設等の従事者に対する検査につきましては、令和2年度と3年度に5,000人を超える方に実施したところであり、クラスターの発生を未然に防止する手段として一定の効果があったものと認識しております。こうした中、現在、高齢者施設等で感染者や濃厚接触者が発生した場合には、随時、行政検査を実施しているところであり、現在のオミクロン株による感染拡大の状況や、市内の検査体制、地域の医療提供体制への影響を考慮いたしますと、高齢者施設等の従事者に対する定期的・一斉の検査については難しいものと考えております。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) クラスター対策としては、検査は本当に不可欠ではないでしょうか。抗原定性検査キット──鼻腔で検体を取りますが、このスクリーニング検査で使用可能です。この3月に厚生労働省、国立感染症研究所等が中心となり、新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針の第5版を出しました。その中に、検査のスクリーニングの必要性で、抗原定性検査キット使用の有効性なども書かれております。ぜひ検討してはどうでしょうか、要望いたします。 次に、短期入所施設の入所者や従業員に検査を実施する考えはないでしょうか。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 短期入所施設の入所者や従業員への検査についてのお尋ねですが、高齢者施設等における検査につきましては、クラスターの発生を未然に防止する手段として、重症化するリスクがより高い入所系施設を優先して検査を実施することとし、短期間入所して介護サービスを提供する短期入所系の施設は対象としなかったものでありますが、介護施設の職能団体の関係者からの御意見を参考として、同一建物の入所系施設に引き続き長期入所を予定している場合には対象としたところであります。 短期入所施設におきましても、感染者や濃厚接触者が発生した場合には、随時、行政検査を実施しているところでありますことから、短期入所施設の入所者や従事者に対する定期的・一斉の検査については考えていないところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 実際にショートステイの施設でもクラスターが発生しました。短期入所であっても新規入所者です。新規入所者に対する検査も含めて検討お願いしたいと思います。 中等症や重症化するのは高齢者です。検査をやらない理由はありますでしょうか。新型コロナウイルス感染症から命を守るためにも、ぜひ検討をお願いします。 次に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う小・中学校の学級閉鎖の実施状況は、どのようになっているのか伺います。 ◎教育委員会学校教育部長(永澤篤) 学級閉鎖等の実施状況についてのお尋ねですが、新型コロナウイルス感染症による小・中学校での本年度の学級閉鎖等につきましては、保健所業務の重点化が図られた本年1月26日以前は、児童生徒に感染が確認された場合、校内に濃厚接触者がいないケースでも、学級を対象としたPCR検査が必要と保健所が判断した場合に、検査日となる翌日を学級閉鎖としていたところでありまして、小学校1校において学校全部の臨時休業を実施したほか、小学校14校、中学校8校の合計22校、延べ42学級で学級閉鎖の措置を実施したところでございます。 保健所業務の重点化以降につきましては、国や北海道の考え方に基づき、陽性者の発症日またはPCR検査等の検体採取日の2日前以降の登校履歴を確認し、登校の事実がある場合は、陽性者の在籍する学級について、発症日または検体採取日の翌日から5日間を学級閉鎖としているところでありまして、令和4年1月27日から先週末3月11日までの間に、小学校1校において学校全部の臨時休業を実施したほか、小学校36校、中学校12校、合計48校、延べ380学級で学級閉鎖の措置を実施したところでございます。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 第5波と第6波の状況を比較しますと、1月26日が境目なんですが、学校・学級閉鎖の状況は、函館市の小学校は43校、468学級、そして中学校は21校、190学級ありますが、これで計算してみました。1月26日以前の感染状況、今述べられたように、小学校1校の学校全部の臨時休業と、ほかに小・中学校64校中22校ですから34%、658学級中延べ42学級が感染していますが6%が休業したと。これが第6波になりましたら、1月27日以降、この3月17日までの状況では、小学校1校の学校全部の臨時休業のほか、小・中学校48校になりますから75%、そして延べ380学級となりましたので57%が休業ということになりました。 このように、第6波になって学校での感染が今、倍になりました。クラス数では10倍近くの感染となっております。これ以上の感染拡大を防止するためにも、早急な対策が必要です。ぜひ、軽症だからと甘く見ないで、危機感を持って対策をお願いいたします。 さらに、第5波のときは感染者がクラスに1人でもいると、そのクラス全体で行政検査としてPCR検査を実施して陰性を確認し、そして学校は1日休んで再開しておりました。 第6波の今の対応は積極的疫学的調査がなくなりました。感染対策を取っていれば濃厚接触者はいないと判断され、検査なしで5日間の休業となります。このように急な休業は、保護者にとっても子供にとっても大変なストレスとなっております。さらに、陽性者は10日間、自宅療養となります。子供たちへのフォローも重要となります。 次に、学級閉鎖などの際には、子供の学習面、健康面に対してどのような対応を行っているのか伺います。 ◎教育委員会学校教育部長(永澤篤) 学級閉鎖等の際の学習面などの対応についてのお尋ねですが、各学校においては、学級閉鎖期間中の学習への対応として、安心・安全メールで家庭学習の課題を課しているほか、学習用端末の持ち帰りが可能な場合には学習課題の配信などを行ったり、自宅にWi-Fi環境が備わっていない児童生徒に配慮し、ネットワークに接続せずに端末の活用が可能な課題を提示したりするなどして、児童生徒の学習に遅れが生じないよう努めているところであります。 また、学級閉鎖終了後には、学習内容の定着を確認し、必要に応じて補充のための授業を行うなど、学習の遅れが生じることのない可能な限りの措置を講じることともに、児童生徒が感じるストレスや不安を軽減するため、必要に応じてスクールカウンセラーやこころの相談員を派遣するなどの取組を行っているところであります。 なお、陽性者については、保健所の指示に従い療養することとしており、他の児童生徒においても、健康観察に十分配慮するよう伝えているところです。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 陽性になった子供たちのケアは非常に重要だと思います。東京のある小学校では、陽性となった子供の体調を見て、リモートで毎日クラスと一緒に授業を受けていると聞いております。陽性者は10日間も休みとなります。ぜひ今回子供たちへの対応についても、検討をお願いしたいと思います。 次に、小・中学校の教職員に対し、出勤の際には抗原検査を実施してはいかがでしょうか。伺います。 ◎教育委員会学校教育部長(永澤篤) 職員の出勤時の検査についてのお尋ねですが、現在函館市立の小・中学校の教職員につきましては、新型コロナウイルス感染が学校内で拡大することを防ぐために、職員の自己管理の徹底、職員と同居する家族等の健康状態の把握などを指示しており、倦怠感がある、平熱より1度以上体温が高いなどの症状がある場合はもとより、同居する家族などに同様の症状が見られた場合にも、管理職に連絡、相談の上、出勤を取りやめることとしております。 また、出勤を取りやめた職員は速やかに医療機関を受診し、従事している業務について、医師等に説明し、職場で留意する点などについて助言を受けることとしており、これらの措置により、学校での感染を一定程度抑えることができており、こうした対応を徹底し、学校の感染拡大防止に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) できればエッセンシャルワーカーとして、前倒しのワクチン接種とかを教職員にもできればいいと思いますが、また、安心して先生たちが授業を行えるように、先ほどから言っています抗原定性検査をスクリーニングとして、ぜひ利用していただきたいと要望したいと思います。 次に、介護施設への支援体制として、介護施設等の入所者が感染者になった場合の対応について、伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 介護施設で感染者が発生した場合の対応についてのお尋ねですが、本市におきましては、介護施設において感染者が発生した場合、高齢者施設等での新型コロナウイルス感染症発症時のフロー図に基づき、市と施設が連携して対応することとしており、基本的な感染対策や職員の体調管理などの衛生指導を実施するとともに、施設内の消毒やゾーニングの実施、職員の応援体制等について検討するよう、適宜指導助言をしているほか、物資の不足が見込まれる場合には、市が備蓄している物資を施設に配付するなどの支援を行っているところでございます。 ◆(富山悦子議員) 実際にあるショートステイが経験したことです。入所者が発熱し、陽性になりました。入院できず、施設でみることになったと。ショートステイなので薬も点滴もないし、治療が必要になっても、医師の指示がないためすぐに医療行為はできないと。受持ちの病院に連絡し対応してもらったら、病院も忙しい状況だったと。とにかくゾーニングしたのだけれども、次々と職員も感染して、介護する職員が不足になったと、非常事態になったということです。 日常から感染対策の指導、意識啓発など、ぜひ周知してほしいです。今述べたように、本当に浸透させてほしいと思います。そして、ショートステイ入所者にも検査もやってほしい、感染対策を含めて、陽性者が出たときにすぐ指示してくれる人が欲しいと言っておりました。切実な声が寄せられておりますので、よろしくお願いします。 次に、介護施設への感染対策の周知をどのようにやっているか伺います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 介護施設への感染対策の周知についてのお尋ねですが、本市ではこれまで、介護施設への感染対策に係る取組として、医療・介護連携支援センターと感染管理認定看護師が連携して介護施設を訪問し、感染予防に関するレクチャーやアドバイスを行ったほか、感染拡大防止に係る研修会の開催や、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所等の職能団体が協力し、新型コロナウイルス感染症の影響で事業所が休止となった場合の対応方法について、各職能団体と医療・介護連携支援センター、市との間で情報を共有する場を設けるなど、様々な取組を行ってきたところであります。 これらの取組を通じて得た情報につきましては、医療・介護連携支援センターのホームページ内に、新型コロナウイルス感染予防対策のコンテンツを作成して、感染予防に関するQ&Aや研修動画などを公開し、各施設で役立てていただけるよう周知しているほか、施設内での感染者の発生に備え、事前にシミュレーションを実施することが重要であることから、感染対策の手引きや感染対策マニュアル、机上訓練シナリオ、感染対策に関する研修動画の配信など、国の専用サイトで公開されているこれらのツールも有効に活用いただくよう、周知しているところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) このような、いい取組をぜひ浸透させてほしいと思います。 次に、保健所体制の充実について質問いたします。保健所体制の充実ですが、私のほうからは、東京都墨田区のように、看護師などが自宅療養者を訪問する、そういうことはできないのかということで、その辺を伺いたいと思います。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 保健所の体制などについてのお尋ねですが、保健所における新型コロナウイルス感染症への対応といたしましては、疫学調査や相談対応、PCR検査、入院や宿泊療養の手配などの業務をこれまでは通常保健師6名を含む27名体制で行ってきたところでありますが、今回のオミクロン株の感染拡大に際しては、各業務の対応件数が増加していることから、部局を超えた職員の応援体制の構築により、最大保健師37名を含む100名体制で対応してきたところであり、引き続き保健所体制を維持しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 また、墨田区のように看護師が自宅療養者を訪問することは行っておりませんが、市内の自宅療養者には医師会の御協力により、かかりつけ医や医師会の担当医の方にオンライン診療や電話相談を必要に応じ、実施していただく体制としているところでございます。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 分かりましたが、簡単に墨田区の取組を紹介いたします。墨田区では第5波の反省からこの体制をつくったと。PCR検査の拡充、そして保育園、学校での感染では、一人が感染したら広く行政検査、疫学的検査を継続して、自前の検査もさらに増やして、無症候性感染者を対象とした無料の検査もすぐに受けられる体制をつくったということです。保健所体制についても、自宅支援を重視した自宅療養支援拠点などをつくって、応援職員を60人増して、兼務も含めて170人体制にして、そしてさらに地域の26医療機関と連携し、自宅療養者の健康観察や検査を行うなど、そういう体制強化をしたということです。ぜひ検討してほしいと思います。 それでは次に、大きな2点目、原油高騰により様々な影響を受けている生活困窮者、事業者への支援についてです。 福祉灯油の支給実績について、お願いいたします。 ◎保健福祉部長(大泉潤) 緊急福祉灯油購入助成事業の実績についてのお尋ねですが、今年度実施した緊急福祉灯油購入助成事業につきましては、申請受付期間を令和3年12月23日から、令和4年2月28日までとした中、1万7,000件を超える申請をいただき、申請書類の審査を経て順次支払いを行ってきたところであります。 実績といたしましては、3月15日時点で1万5,675世帯の支給決定を行っており、支給決定総額は7,837万5,000円となっているところでありますが、今回高齢者の対象年齢を75歳以上から70歳以上へと拡充したことやコロナ禍で外出自粛が続き、家にいる時間が長く、灯油代の負担が大きいことなどにより、過去に実施した平成19年度の7,173世帯、助成総額3,586万5,000円、平成20年度の8,268世帯、助成総額4,134万円を大きく上回っているところでございます。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 今、原油価格高騰の影響が本当に道南でも広がっております。ガソリン、重油、灯油価格の推移を見ますと、1月から3月までずっと伸びております。ガソリンは13年ぶりの170円超えです。それから、灯油も122円と、13年前のリーマンショック時の135円の金額に今、近づいているというところです。 福祉灯油助成の条件は少し違いますが、今言われたように助成率を見ますと、2007年度は44.8%、2008年度は63.6%、そして今回の2021年度の対象世帯数2万6,000世帯に対し、1万5,675世帯、60%到達。4割の世帯がなぜもらえなかったのか、今後ぜひ検証すべきだと思います。助成金額についても、2007年度と同じ5,000円でした。コロナ禍で家に閉じ籠もる状況、本当に多くなっております。暖房費もたくさん使っております。本当に助成金額を上げてほしかったです。 福祉灯油は全道179自治体中、札幌市以外全ての自治体で助成しました。函館市は他の自治体に比べ、早くに決断してくれました。しかし、生活保護世帯への助成はありませんでした。他の自治体では、困窮者に対する公平な助成として、生活保護世帯への支援も多く見られました。 また、障がい者の方から、この制度を分からないでいたという声も聞きました。家庭用灯油の平均価格は1リットル103.32円でした、昨年の10月ですね。今、3月で122.63円、前年度比でいきますと、1リットル当たり30.9%も上昇しているそうです。私は、今後形を変えて、ぜひこの支援を検討していただきたいと思います。 次に、原油価格高騰の影響を受けている事業所──学童保育施設、保育園について、市は原油価格高騰による放課後児童クラブや保育所への影響を把握しておりますでしょうか。その影響に対し、何らかの支援はあるのでしょうか、伺います。 ◎子ども未来部長(深草涼子) 放課後児童クラブの影響などについてのお尋ねでございます。市内の放課後児童クラブや保育所に原油価格高騰による影響について伺ったところ、燃料価格の上昇に加え、感染症対策のための換気を行っていることもあり、以前と比較して使用量も増加し、暖房費の負担が増えてきているとお聞きしております。 施設における暖房費につきましては、市が各施設に支払う委託料や施設型給付費の中に含まれ、その額は国が定める基準により積算しており、特に原油価格高騰による支援は行われていないところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) ある学童保育施設の状況なのですが、換気が重要なので窓を開けて、この間──冬はストーブをたきます。新型コロナウイルス感染症の影響で、灯油もいつもより使っております。実際の学童施設での燃料費──この施設はガスストーブを使っておりましたが、12月から3月までの4か月間をちょっと調べてもらい、2020年度と2021年度を比較しました。2020年度は4か月分が18万1,982円、今年度は25万8,447円、7万6,465円の増額でした。答弁では、灯油価格高騰による支援は行われていないということです。だからこそ、支援をお願いしたいと思います。委託料、施設型給付費もありますが、相当加重負担となっております。私はこの支援の検討を考えるべきだと思います。御検討ください。 次に、原油価格高騰による農業者への影響について伺います。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 原油価格の高騰による農業者への影響についてのお尋ねですが、本市の農業はバレイショやニンジン、大根などの秋までに収穫される野菜を主要作物とした土地利用型の農業経営が主体であり、現在多くの農業者は農閑期となっているところですが、原油価格の高騰について、農業協同組合に確認したところ、トラクターなどの農作業機械が本格的に稼働されていないことから、現時点での影響は少ないものと伺っているところであります。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 分かりました。 次に、漁業者への影響について伺います。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 原油価格の高騰による漁業者への影響についてのお尋ねですが、本市では主にコンブ養殖漁業と、5トン以上の漁船を使用するイカ釣り漁業やスケトウダラ刺し網漁業などの漁船漁業が営まれており、この中でイカ釣り漁業はいさり火と呼ばれる漁灯をともすことから、燃料の消費が著しく、価格高騰の影響が大きなものとなっております。このため、市では、小型イカ釣り漁業に対し、燃料費の一部を支援する小型イカ釣り漁業出漁支援補助金を交付しているほか、国においても、燃油価格高騰時に補填金を交付する漁業経営セーフティネット構築事業により、漁業経営の影響緩和に努めているところでございます。 以上でございます。 ◆(富山悦子議員) 小型イカ釣り漁業出漁支援補助金が、燃油費の3分の1の補助として1回の出漁で1万円支給されております。対象期間は6月から10月までの期間限定となっております。それ以外の期間もイカ釣り漁を行っておりますので、相当な影響があると思います。重油価格の年度比較をしてみましたけれども、昨年度と比べて1リットル当たり24円もアップしております。セーフティネット事業の補填もあると思いますが、補助金を増やす検討が必要ではないでしょうか。 今述べたように市民の暮らし、大変な状況になりつつあります。原油価格高騰による市民生活への影響は多大です。日用品や食料品の値上げ、次々と報道されております。生活困窮者に支給される福祉灯油や10万円給付など、本来であれば支給対象となるような人が、条件の境界で支給されなかった例がたくさんあります。 最後に再質問したいと思います。原油価格の高騰により、影響を受けている方々に対して、地方創生臨時交付金を活用した対策を早期に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎財務部長(川村義浩) 地方創生臨時交付金を活用した対策ということでのお尋ねでございますが、地方創生臨時交付金につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の防止や、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援などを通じた地方創生を図ることを目的としており、感染症により影響を受けた生活者や事業者に対する燃料費高騰の負担軽減のための支援についても、地方創生臨時交付金の活用が可能な事業となっております。いずれにいたしましても、地方創生臨時交付金につきましては、各種対策を実施する上で貴重な財源でありますことから、今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況や地域の経済状況などを見極め、必要な対策を令和4年度の補正予算に計上し、適時対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
    ◆(富山悦子議員) 今、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた生活者や事業者に対する燃料費高騰の負担軽減のための支援についても、地方創生臨時交付金の活用が可能な事業となっていると答弁されました。福祉灯油の対象とならなかった生活保護受給者、学童・保育所など、ぜひ調査して、支援の検討をお願いし、私の質問を終わりますが、最後に市長のほうから、この点について、ぜひ御意見をお願いします。 ◎市長(工藤壽樹) 原油価格の高騰ということで、もともと上がっていたところに、また円安がかぶさって、そしてまたウクライナの問題がかぶさって、大変な状況になりつつあるなということは、私も認識しているところであります。そういう中で、各方面に影響が出ております。国においても、それなりの対策が取られようとしているところでありますが、私どもとしても、まだ使っていないというか、残してある交付金があるのは事実でありますから、これからの様々な推移を見定めながら、対応してまいりたいと思っております。 ◆(富山悦子議員) これで、私の質問を終わります。 ○副議長(道畑克雄) これで、富山 悦子議員の個人質問は終わりました。 次に、16番 藤井 辰吉議員。  (藤井 辰吉議員質問席へ着席)(拍手) ◆(藤井辰吉議員) 大綱2点、質問させていただきたいと思います。 1点目ですが、通園、通学時のスクールバス等交通機関の現状と課題についてということで、伺わせていただきます。 主に幼稚園の通園のバスのことについて伺っていきたいんですけれども、まず幼稚園の通園のバスは、今、どういう状況かといいますと、大体大きく三つに種類が分かれるのですが、まず一つが、幼稚園が自己──自分で所有している車両バスを用いて、幼稚園で雇っている方が直接ドライバーとして運転して、園児たちを迎えに行く──送迎をしているというパターンが一つ。もう一つが、車両は幼稚園が保有しているんですけれども、ドライバーを外部から雇って運行しているパターン。この二つに関しましては、幼稚園の自分の所有ですので、有償運送の許可を取っていない白いナンバー──白ナンバーでの運送となっております。 もう一つ、今度は車両の所有もドライバーも有償運送の会社が担って、そちらのほうに運送業務を委託しているという、こちらは緑ナンバーを使った運送になります。 この三つのパターンの大まかな区分けの中で、先ほど申し上げました白ナンバー、緑ナンバーの大きな差というのは、安全点検の業務に関しまして、どのくらい責務を負わされているか。緑ナンバーに関しましては、法定の点検業務の中で、厳しい基準を設けており、それらの報告もしなければならない。白ナンバーに関しましては、一応これに関しましては、約25年前に当時の運輸省、今でいう国土交通省が通達を出して、白ナンバーでも交通費、輸送費を徴収しながら運行してもいいですよという、その通達の下で、当初始められたのですが、白ナンバーに一応お願い事として、なるべく安全な運行、そして運行管理者を置いてほしいというようなことがあるのですが、これは責務とまでは言えないので、安全点検の度合いに大きな差がございます。 その中で、函館市におきましては、幼稚園は私立ですので、そこに対しまして直接的な行政からの何か指導権限というのはないのかもしれないですけど、仮にこの運行体制の中──特に白ナンバーで運行を直接担っている方がどこまで責任感を持って点検するかによるんですけれども、法定の届出の必要がない中で、やはり日々の中で、このくらいはいいかなとかいろいろな緩みが出てくる可能性もございます。実際に違反かなというような思しきところも、私の耳に情報として入っているのですが、そういう中で、例えば交通事故が起こって責任はどこにあるのかということになったときに、全体を管轄する──全体を見渡す行政が無責任でいられるのかなというところも併せまして、お伺いしていきたいんですが。 質問させていただきます。市内の各施設における通園バスについて、自分のところで保有している車両で運行しているのかどうか。また、その運行体制が適切であるかなどの実態を市で把握しているかどうか、お知らせください。 ◎子ども未来部長(深草涼子) 各施設における通園バスの実態把握についてのお尋ねでございます。 市内の幼稚園や認定こども園におきましては、幼稚園では6園中4園、認定こども園では53園中19園の合計23園が通園バスを運行しており、そのうち自己保有の車両で運行している施設が21園、運転手も含めた業務委託により運行している施設が2園であることを確認しております。 また、各施設では、安全運転管理者を置き、運転者に対する技能・知識等の指導を行うとともに、毎朝、運転前点検などの基本的な安全点検を実施させるほか、保育教諭等の同乗や乗降車時の人数確認などにより、園児の安全確保に努めているとお聞きしておりますが、これまで運行体制について具体的な調査を実施したことはないため、今後各施設に確認し、実態を把握してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 今お答えいただいた中の最後の部分ですが、調査を実施したことはないということだったんですが、これまでのバスの運行体制がどうであったかというところをまず把握していたかどうかというところも関係はするんですけれども、その前に恐らくなんですが、直接的な指導権限というのはないと、私は思っているので──私立に対して。なので、あまり深く踏み込まないようにしていたのではないかなと推測はしているんですが──正しいかどうかは分からないんですけれども。ですので、今現在の各幼稚園の送迎の実態把握というのもしたことがなかったのかなと勝手に思っております。 また、今御答弁で、安全運転管理者を置きと、さらにその後に、安全点検を実施させるとおっしゃっていたんですけれども、こちらもなかなか絶対出してくれというふうに、今はまだいけないと思いますので──今後どうなるかは分からないですけれども、そういう意味において、今まではどういう状態であるかというのは分かりづらい状況にあったんだなと今の御答弁をいただいて感じました。 ではありますけれども、日本全国でたまにニュースにもなることはありますが、送迎バス──幼稚園、小学校とかもそうですけれども──送迎バスで起こる事故、一番痛ましいのは送迎に利用していた園児がお亡くなりになった例とかも実際にございます。こういった状況の中で、お子様を委ねる保護者の方々は、より安全な運行を望んでいると思いますけれども、通園バスの運行において、子供の安心・安全を高めるということが、我々もしくは行政においても大事なことと考えますけれども、市の認識をお伺いいたします。 ◎子ども未来部長(深草涼子) 通園バスの運行における市の認識についてのお尋ねでございます。 市といたしましては、子供の安心・安全が重要と考えておりますことから、各施設において、安全運転の徹底はもとより、危機管理マニュアル等を作成し、運行上の管理に関することや事故発生時における対応等について、日頃から備えておき、適切に対応する必要があるものと認識しております。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 危機管理マニュアル等を作成しとありましたけれども、危機管理マニュアルというのは、せっかく今御答弁いただいたんですけれども、果たして行政がつくるべきものなのか、それとも各園が備えるものなのか、運行業者が持っているものなのかというのは、また検討していただけたらなと思います。必ずしも画一的に行政が用意するものであるかどうかは、いま一度御検討をいただけたらなと感じております。 事故発生時における対応等というところについてなんですが、近年──具体的に何年前かとかいうと特定できてしまうんですけれども──函館市内においても事故が発生いたしまして、私が最後に状況を聞いたのが半年ぐらい前なんですが、まだもめてると。その後、解決に──決着はついていないと。何かといいますと、責任の所在が一体どこなのかというところを曖昧にしていたと。事故を起こしたドライバーさんなのか、それとも運行を業務として委託されていた運行会社なのか、それとも片や運行会社さんのほうの主張として、私の耳に入っているのは正確な情報かは分からないですけれども、運行を依頼した園のほうに責任があるのではないかと。そういった点で、まだもめているというようなことで私は聞いておりました。そういう責任の所在を事前にはっきりさせておくということも大事でしょうし、それよりもまず事故が起こりにくい状況をつくり上げるということが大事だと思っております。 先ほど、白ナンバーと緑ナンバーの安全点検の管理について大きな差があると私申しましたけれども、緑ナンバーに日々といいますか、年間で課せられている点検の内容なんですけれども、まずは運送業務に当たる前後で必ず対面点呼を取ると。要するに車両に直接乗り込んで送迎して、終わったから帰るねというのではなくて、まず朝来て、運行管理者と顔を必ず合わせて、これから行ってまいりますと。その中でドライバーさんの体調の管理ですね──アルコールが残っていないかとか、あと今日体調は悪いのではないか、この方寝不足なのかなとか、そういう点検をまず行えると。そういう体調不良による運転を未然に防止できるというところがまず一つ。 毎日の運行する前の車両点検、こちらも日報に必ず帳簿として残さなければいけないという、点検を確実に報告しなければならない、国土交通省に対してですけれども、そちらが一つ。 そして、車両の法定点検なんですが、一般的な車両と違って、緑ナンバーの車両は3か月に1度法定点検をしなければならないと。長期間に及ぶ摩耗だとか消耗によって、車にどのくらいダメージがきているかというのを3か月に1度、法定点検をしなければならないという責務を負っていると。 あと、緑ナンバーに関しましては、運行管理者のほかに整備管理者を置かなければならず、2つの役を負っているそれぞれが、2年ごとに必ず研修を受けなければならないと。それらどれかを破った場合には、運行業務を停止しなければならないという状況にあるので、物すごい責任を負ってやっているわけです。そこで安全性を確保して、みんなの命を守っていくという下でやっているのですが、こちらの車両点検の業務の実施等について、各施設の通園バスにおける安全を確保するために、市から助言などは行うように考えていますでしょうか。 ◎子ども未来部長(深草涼子) 安全を確保するための対応についてのお尋ねでございます。 先ほども申し上げましたが、市といたしましては、子供たちの安全・安心を考える上で、施設において適切な安全確保を行う必要があるものと認識しておりますことから、今後、各施設における車両点検業務の実施状況なども含め確認し、必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 今後は助言・指導も考えていきたいということなんですけれども、恐らく事故等々が起こった場合、世間からしたら、子供たちの安全を守るためにはとなると、どこから手をつけていくかというと、運行を担っている方もそうなんですが、行政からの指導ってどうなっているのだろうと気になると思いますので、そちらはこれまで実態調査とかもしたことがなかったということなんですけれども、そこは今後何かしら関与を強めて、安全性を高めたほうがいいのかなと思います。 なお、運行業者に委ねたときのメリットの1つとしてなんですけれども、学校においても、例えば教員の方々の負担を軽減するために部活の顧問、コーチを外部から雇ったり、あと教室内での指導者を増やしたりとか、そういう職員の方の負担軽減というのが語られますけれども、幼稚園におきましても、白ナンバーで運行しているところは毎年3月、4月に園児が入れ替わるので、運送が必要な園児が毎年替わる──要するにルート取りが変わってしまうので、ルート作成だとか、そのような業務、あと各種届出の業務もあるんですけれども、こちらを緑ナンバーでプロの方に任せていると、ルート作成だとか、そういう届出業務とか、そういったものも任せられると聞いております。運行ルートの作成なども含めて、通園バスの運行業務を全て委託することで、幼稚園の業務負担軽減になると考えます。本来の幼稚園の業務により集中できると思いますけれども、その点に関して認識いかがでしょうか。 ◎子ども未来部長(深草涼子) 通園バスの業務委託についてのお尋ねでございます。 運行業務の委託に限らず、各施設において、業務負担軽減に向けた様々な取組を進めることは、保育士や幼稚園教諭等が本来業務に集中できるようになり、子供の保育や教育の質を高めることにつながるものと考えておりますが、通園バスの業務委託を進めることにつきましては、経費負担や人員配置、既存設備の状況など、個々の施設において様々であり、最終的には施設が判断するものと考えております。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 経費負担と人員配置という言葉も出てきましたけれども、経費負担に関しましては、正直なところ、私のあくまで個人的な感想ですけれども、そこを払ってでも本来の業務に集中できたりとか、安全性を高められるのであれば、飲み込んだほうがいいのかなと感じております。 先ほど、お話の冒頭に出させていただきました現在の状況における白ナンバーでの有償運送に関しまして、運輸省が通達で、どうぞ白ナンバーでもやっていいですよと出したというのが、あくまで推奨されるものではないけれどもという前置きの下で行われております。 なぜ運輸省から、そういった通達が出たかというと、切替えの時期に幼稚園などが自分で車両を保有しているということもそうなんですけれども、それ以上に緑ナンバーを調達しづらい地域、交通の空白地域だとか、あと市町村が実際に主導して運営するものであればいいよとか、あと、福祉輸送に関しましてはいいよと。要するに、公共の福祉の確保をするために、やむを得ない場合においてという条件付でありました。その通達がなされてから既に25年たっていて、さらに言うと、このまち──函館は緑ナンバーの車両が調達しづらいエリアではないはずですのに、25年たっても今なお白ナンバー──緑ナンバーよりも安全点検等々の縛りが──ハードルが低いその車両で運行しているというところに、安全性へのもう少し求められる余白があるのではないかなと思っております。 先ほどの点検業務の話と運行体制の中で、今私が聞いておりますのは、交通ルールの逸脱と進入してはならないはずのところに進入するルート取りを取ると。前後の点呼なし、車両にそのまま乗り込んで、そのまま帰ってしまうという運行業者がありましたと。あと、幼稚園バスであるのに──幼稚園バスって園児用の改造といいますか、整備をしてあるんですけれども、シートのつくりとか──幼稚園バスに小学生を乗せて、学童保育との間の運行している──要するに車両の使用ですね、道路運送法ではなく、道路交通法の違反行為が見受けられるというような話も入っております。そこの事実関係を市が把握しているかどうかはお聞きしませんけれども、そういった少し曖昧になる、余白のある部分というのはなるべくなくしたほうがいいのかなと思います。その上で、何か交通事故とかが起こったら、後悔しても後悔し切れないかなと思いますので、そこへの意識も各幼稚園で高めていただけたらなと思っております。 通園バスの運行に対して、市のほうから各施設に助成が出ているかと思うんですけれども、そちらのほうはいかがでしょうか。 ◎子ども未来部長(深草涼子) 通園バスの運行経費に対する助成についてのお尋ねでございます。 教育・保育に通常要する費用の額として、国が定める公定価格の各種加算の1つに子供の通園の便宜のために送迎を行う施設に対する通園送迎加算があり、市では通園バスを運行する施設に対して、この加算を含めて算出した施設型給付費を支払っているところであります。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 施設型の給付費を支払っているということでありまして、こちらの加算は通園のバスを利用している人の人数ではなくて、あくまで園に所属して通園している人数で加算されているという内容ですけれども、こちらは要望としてなんですが、もし可能であれば施設型給付ではなくて、通園バスを利用する人数を特定して、その方々に──家庭に直接的な交通費給付という形にしたほうが、交通に関する出費の意識が高まるのと同時に、有償運送という安全性のことも意識してもらって、さらには施設型給付だとお金の流れというのが行政と幼稚園の間でしか見えないので、世間一般には何も感じないのかもしれないですけれども、直接給付することによって、函館市は子育ての支援により力を入れているんだなという印象もまた生まれると思いますので、もし可能であれば、直接家庭への給付ということも、今後御検討いただけたらなと私は考えております。 今、もろもろ伺ってまいりましたけれども、安全性を高めて、保護者の方がいかに安心してお子様を園に委ねられるかというところと、あと冒頭の答弁でいただきましたけれども、行政が幼稚園の送迎の安全も全部見守っていますよということと、あと幼稚園に関しましては、ルート設定だとか、届出だとか、事故の責任の所在、あと幼稚園業務に集中できますように、先ほども申し上げました運輸省の通達の緑ナンバーが手配しづらいエリア──要するに公共の福祉の確保がしづらいエリアには許しますよといった白ナンバーの利用を、今後少しずつ縮小していって、安全性の高い運送、事故が起きたときの対応等々も含めて、全て安心・安全の材料を高めていくように、行政としても関わっていただけたらなと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 幼稚園バス、通園通学のバスに関しましては、以上で終わらせていただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきたいと思います。これまでもデジタル庁が設立されるという話が出る以前から、ITの業界ではデジタルトランスフォーメーションの必要性というのを説かれていたわけですけれども、スーパーシティとか、スマートシティのそういう構想に乗らないまでも、どこの自治体のまちの中の企業においても、デジタルトランスフォーメーションの波に乗り遅れていったときに、ビジネスの相手が狭まってしまいまして、いろいろな機会を逸すると。2025年までにデジタルトランスフォーメーションにある程度なじんでおかないと、日本は年間に12兆円の利益を逸するというような試算も出ている中で、何度か質問をさせていただいておりました。 それでは、質問させていただきます。デジタルトランスフォーメーション──DXを冠した事業が新年度予算として組み込まれましたが、今後企業間のDXにどのような展望を持っているのかを教えてください。 ◎経済部長(小林利行) DXの展望についてのお尋ねでございます。 昨今のコロナ禍で、企業におきましてはデジタルサービスの提供が求められてきていることなど、社会のデジタル化が急速に進む中で、ビジネス環境の変化に対応し、事業を存続・発展させるためには、企業自らがDXを導入し、取り組むことが今後さらに必要になってくるものと認識しているところでございます。このため本市におきましては、新年度から新たにDX推進支援事業を実施していくこととしてございまして、まずは市内の中小企業等が、その内容や必要性、重要性を理解していただくよう、周知や普及啓発を図り、その後企業内での人材育成、さらには企業のDX戦略策定の伴走型支援など、市内の中小企業等のDX推進の後押しとなる取組につきましても、引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます ◆(藤井辰吉議員) 今、部長が引き続きという言葉をすごく強調したように聞こえたんですけれども、これまでも取り組んでましたよというところかと思いますが、伴走型ということは、函館市から各中小企業に対して、こういうデジタルトランスフォーメーションがありますよと、こういう変革が必要ですよと強く求めるものでもないのかなと今、答弁を聞いていた限り感じたところではあります。あくまでもそのようにしたいという中小企業に対して、一緒に考えながらというような姿勢で臨むのかなと思います。 これまでの質問の中で、私はDX、必ずどうしたらいいのかなと迷ったときに、どこに相談したらいいのだろうというので、一番最初に行政が浮かぶのではないかなということで、デジタルトランスフォーメーションに関する相談窓口をつくっていただきたいんですというような話をしていたんですけれども、市では経済部が窓口となり、市内の中小企業のDXに関する相談を受けていると、これまでも引き続きということもおっしゃっていたので思いますが、企業によって導入するための技術的な相談など、様々あると思いますが、こうした相談にはどのように対応していきますでしょうか。 ◎経済部長(小林利行) DXにかかる相談窓口についてのお尋ねでございます。 本市におきましては、これまでも企業からのデジタル化やIT化の相談・問合せに対しまして、経済部が窓口となって個々の案件ごとに様々な対応をしてきたところでございます。市内中小企業等からのDXの相談に当たりましては、引き続き経済部が窓口となって応じることとしてございまして、必要によっては、関係機関や専門家へつなぐなど、企業それぞれの課題に対しまして、きめ細かい対応をしてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 当初質問していたときにも、専用窓口を設けるとはならないというような答弁であったかと思いますけれども、今来た問合せに対しては、突き放すとか、ちょっとうちではそういうの受けられないんですとかではなくて、あくまで函館市内の企業に対しては、この時代に──これから追いかけていくような形になると思いますけれども、DXという変革を一緒にやっていくための相談の窓口にはなるという御返答だったかと思いますが、よろしいでしょうか。 ◎経済部長(小林利行) (うなづく) ◆(藤井辰吉議員) ありがとうございます。 次は、中小企業から少し離れまして、以前、同僚議員からも質問が多々出ていましたが、行政内でのデジタルトランスフォーメーションに関しまして、1つ気になる点がありますので、質問させていただきたいと思います。 以前質問させていただいたときに、表現といたしましては、あまりにもシステムの構築がシステム開発者の独特な手法を使っていて、その会社しかいじれない、メンテナンスもできない、中のデータの移行もできない。それを私はブラックボックス化するというような表現で言っていましたけれども、今、情報システムの標準化が行政のデジタルトランスフォーメーションで進められていますけれども、本市のシステムは私がブラックボックスと申しました特定の事業者しかそのシステムを扱えないというベンダーロックインとなるような状態になっているかどうか、どのように把握されていますでしょうか。 ◎総務部長(小山内千晴) 本市のシステムの状況についてのお尋ねでございます。 国におきましては、自治体の人的・財政的負担の軽減効果のほか、独自仕様のシステムを利用することで他社製品への乗換えが困難になる、いわゆるベンダーロックインの解消効果等を踏まえまして、自治体に対して、令和7年度末──2025年度末までに住民記録など20業務について、国の定める機能やデータ、帳票などの統一的基準に適合したシステムに移行することを義務づけたところでございます。 本市におきましては、標準化対象の20業務のうち、本市独自のシステムを構築し、運用している業務が12業務あり、残る8業務につきましては、汎用性のあるパッケージソフトを活用しているところでございます。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 国のほうから指定されている標準化していくものが約20あると。その中で、約12のシステムが独自のシステムを活用していますというように把握されているということですけれども、こちらの独自のシステムが標準化されていくまでに、どういう課題があるのかというのを洗い出しておかないと、実際にそれを運用し始めるまでに──そのタイミングまでに改変がデータ移行とか、データの連結とかが間に合わない場合がありますので。ただそれらの種類が12業務と絞れているということですので、それぞれの業務、システムの中に、スケジュール的な見込みも立てながら、間に合わせていただけたらなと思います。 次ですが、標準化により、他の自治体のシステムとの互換性、汎用性が高まると思いますが、本市ではどう認識し、移行しようとしているか、道筋をお知らせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 標準システムへの移行についてのお尋ねでございます。 独自仕様のシステムは運用面でのメリットはあるものの、新たなシステムへ切替える場合などには、費用が高くなるといった課題もあったところでございます。国の仕様に基づく標準システムに移行することによりまして、その後の切替えが容易になり、また他の自治体などとの連携もよりスムーズになるものと考えておりますので、今後、複数のベンダーが開発することとなっておりますので、この製品の中から選定いたしまして、新たなシステムへ移行してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) デジタルトランスフォーメーション──特に自治体におけるデジタルトランスフォーメーションの一番のメリットは、いかに行政サービスを受ける側にとって、手続がスムーズになるか、余計な時間、また労力をかけずに行政サービスを受けられるかというところにあると思いますので、こちらは先ほど申し上げましたように、どの業務が今、独自システムなのかというところも割り出せていると思いますので、しっかりと対応して、何かしら改変時のトラブルがあっても、すぐに対応できるように注視していただけたらと思います。 それでは次に、リモートワーク及びワーケーションにつきまして、お尋ねしたいんですけれども、これまで行ってきたワーケーション事業の取組内容と実績について、お伺いいたします。 ◎経済部長(小林利行) ワーケーション事業の取組内容と実績についてのお尋ねでございます。 本市では、ワーケーション誘致の取組といたしまして、令和2年度──2020年度から体験ツアーを実施してございまして、参加者がこのツアーを通じ、仕事をしながらでも観光や歴史に触れ、グルメのほか、イカ釣り体験といった函館らしい観光でのリフレッシュのほか、学術研究機関の視察やビジネスマッチング、1日乗車券の活用による市内公共交通機関の利用など、仕事と観光、さらには移住目線での様々なメニューを体験していただいておりまして、昨年度はIT企業や大手企業の社員などを中心に38社67名、今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大時期と重なったこともありましたが、26社30名の参加があったところでございます。 このほか、ワーケーションの取組を進めるため、専用ウェブサイトの開設やSNSを活用した広告宣伝のほか、体験ツアーの参加者からいただいた意見を基に、公共施設にウェブ会議用のモニターや簡易ブースを設けるなど、受入環境の向上にも努めているところでございます。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) ワーケーションは、ただ単にリモートワークという概念とは違いまして、遠隔地で仕事もしながら、その土地でゆったりと余暇、空いた時間を楽しむこともできるというような魅力的なものですけれども、今の感染症拡大の事態の中で、リモートワークというのが普及いたしまして──一般化してきて、ワーケーションにとっては追い風のように感じられる部分もありましたけれども、同じ感染症の中で、人的な移動、場所の移動、人の交流というのが疎まれる状況にあって、ワーケーションのケーションというところですけれども、観光的な要素を所有した概念の中で、人が動きづらいという向かい風にもなって、実際停滞するような状況になっているのかなと思いますけれども、函館は基幹産業の一つとして観光があるわけですから、今のこの事態が明けたときに、どういった準備をして、人の移動が容易になったときに、いかに他都市との魅力の違いを感じていただけるかという準備をしていただきたいわけですけれども、今最後のほうにおっしゃっていただきました専用ウェブサイトの開設だとか、SNSを活用した宣伝広告といったものも活用しながら、今、適宜準備されていると思いますので、そちらのほうもぜひとも念入りに行っていただけたらなと思います。 次なんですけれども、ワーケーションについては、新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着き、再度本来の活動ができるようになる時期に向けて準備が必要だと思いますけれども、現在どのような取組を行っているのか、また行おうとしているのか、お知らせください。 ◎経済部長(小林利行) 新型コロナウイルス感染症が落ち着いたときの準備についてのお尋ねでございます。 コロナ禍への対応で、企業におきましては、テレワークの普及が急速に進むとともに、さらに働き方改革によって、多様で柔軟な働き方の導入も進められている中、テレワークを活用した新たなワークスタイルであるワーケーションは、今後も引き続き注目されていくものと考えているところでございます。 こうした状況を踏まえ、来年度のワーケーションにつきましては、体験ツアーやPRなど、これまでの取組を引き続き実施していくとともに、新たに首都圏企業等を対象として実施することとしておりますテレワーク等の活用に向けた調査におきまして、企業のニーズなども把握することとしてございまして、こうした取組に加え、函館がワーケーションの目的地として選択されるための幅広いPR活動や他地域との差別化を図るコンテンツの創出のほか、受入体制の整備、充実など、アフターコロナに向けて、本市のワーケーション誘致をさらに進めるための必要な方策につきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) 函館は、もともとそういうコンテンツがたくさんありますので、あとは、そのコンテンツ、観光のコンテンツ以外の部分で、ここに滞在する間どういう不便があるのか、こうだったらいいなというのを各企業にニーズの調査をするということかと思いますので、そのニーズを拾い上げて、より選ばれやすい体制で、この事態が明けるのを待ち構えていただけたらと思います。有効に活用してもらえたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に、ワーケーションの滞在期間中の交通費割引制度など、そのような検討はできないかどうか、お聞きいたします。 ◎経済部長(小林利行) ワーケーションによる交通費割引制度についての御質問でございます。 議員御指摘のワーケーションで来函された方々に対しまして割引運賃制度を導入することにつきましては、法的な問題もあるほか、その他交通費を助成する場合におきましても、手続面や他の観光客との区別等、課題が多いものと考えているところでございます。 本市におきましては、ワーケーションで来函された方への支援として、これまで本市で実施している体験ツアーの参加者に対しましては、特典といたしまして市電や函館バスの共通乗車券をお配りし、活用していただいているところでございますが、今後、さらにワーケーションの誘致について取組を進めるため、体験ツアーでいただいた意見や、先ほど申し上げましたテレワーク等の活用に向けた調査により、ニーズなどを把握することとしてございますので、この調査を基に滞在中の交通費に関することなども含めまして、市としてワーケーション誘致を進めるための有効な施策について、広く可能性を検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(藤井辰吉議員) まず一つ難しいのは、ワーケーションで来ている人なのか、ワーケーションじゃなく来ている人なのかという、そこの判別がまず難しいというところなのかなと思います。 今、交通費に関することも含めて、今後、何ができるかという検討もしていただけるということだったんですが、私がなぜ、通常ですと住民サービスである交通費のことを伺ったかというと、交通費の──一般会計からの助成を繰り出すのではなく、価格設定で容易に使えるような割引、要するに、どのみち電車の車両は空っぽでも動いているわけですから、そこに割引制度という、もともとの価格を下げる、そういうサービスもまた魅力の一つに組み込んでいただけないかなと思ったんですけれども、価格について、変更を加えたいときは国土交通省への届出と認可が必要だということですので、ちょっと今回、そちらのほうには言及いたしませんでしたけれども、もし何かしら助成にしても、政策的なものとして、ワーケーション誘致のためという名目がついて何かできるのであれば、そこも生かしながら、函館の魅力をより感じていただき、また外に発信していただく機会にもなるかと思いますので、そちらのほうも御検討いただけたらと思います。 では、時間が余りましたけれども、以上で質問を終わらせていただきたいと思います。 ○副議長(道畑克雄) これで、藤井 辰吉議員の個人質問は終わりました。 ここで、再開予定を午後3時10分とし、休憩いたします。          午後 2時29分休憩  ======================          午後 3時10分再開 ○議長(浜野幸子) これより会議を再開いたします。 休憩前の議事を継続し、個人質問を続けます。15番 福島 恭二議員。  (福島 恭二議員質問席へ着席)(拍手) ◆(福島恭二議員) 民主・市民ネットの福島でございます。 通告のとおり、個人質問いたしたいと思います。 まず大綱1ですけれども、北海道新幹線の札幌開業に伴う並行在来線の経営分離について、質問いたします。 今年度の北海道新幹線並行在来線対策協議会幹事会での協議状況は、今どうなっているのかについて、まずお尋ねしたいと思います。 北海道新幹線の札幌開業に伴いますJR北海道から分離される小樽から函館までの路線について、今協議のために北海道新幹線並行在来線対策協議会を組織して話し、検討されている状況であります。 渡島管内は函館市、北斗市、七飯町、鹿部町、森町、八雲町、長万部町を構成員とした渡島ブロック会議のほかに、担当課長レベルでの幹事会が設置されて、協議が進められているようであります。 質問の一つとして、今年度の北海道新幹線並行在来線対策協議会幹事会での協議状況は、どのようになっているのでしょうか。 また、ブロック会議は、今度いつ開催されるのかお尋ねいたします。 ◎企画部長(柏弘樹) 並行在来線対策協議会渡島ブロック会議における協議経過等についてのお尋ねであります。 同ブロック会議におきましては、昨年4月の第8回の会議開催以降、これまでJR北海道から経営分離される函館線──函館・小樽間にかかる将来需要予測・収支予測等調査の結果の精査に関わりまして、幹事会が2回、その他実務者レベルの協議が数回行われておりまして、現在も、事務局である北海道において、収支予測等の精査作業が進められているところであります。 今後のスケジュールといたしましては、先行して進められております後志ブロック会議における議論が想定以上に時間を要していることなどから、北海道からは、当初予定していた今年度末の渡島ブロック会議の開催は難しい状況にあるものの、4月には会議を開催し、これまでの検討状況の中間報告を行いたい旨、お聞きしているところであります。 以上です。 ◆(福島恭二議員) 今お尋ねいたしましたけれども、この1年間ほとんど議論が進んでいないようであります。 後志ブロックでの廃止が決着するまで、ただ待っているだけなんでしょうか。並行在来線の協議は、JR貨物の線路使用料の大きな課題となるわけであります。北海道では、並行在来線と貨物は別な部局が担当していると聞いております。そのせいか、貨物の協議は、全く聞こえておりません。 質問いたしますけれども、貨物路線の存廃が並行在来線やライナーの存廃に大きな影響を及ぼすものと思います。北海道での議論の進捗状況は、どうなっているのか、また、並行在来線の協議時に併せて議論を進めるよう、北海道に対して強く求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎企画部長(柏弘樹) 鉄道貨物の在り方、それから並行在来線の協議についてのお尋ねであります。 市といたしましては、並行在来線と鉄道貨物につきましては、同じ鉄路で運行されることを踏まえますと、当然、切り離すことなく一体的に検討すべきであるとの認識の下、これまでも並行在来線対策協議会の幹事会等において、その旨意見を申し上げてきたところでありますが、北海道からは、同協議会では、あくまでも旅客を対象とした地域交通の確保方策について検討していきたいとの考え方が示されているところであります。 しかしながら、鉄道貨物の在り方と貨物調整金制度につきましては、第三セクター鉄道事業者における線路使用料収入に多大な影響を及ぼすなど、鉄路の維持に直結する課題でありますことから、今後、同協議会におきまして、一体的な議論がなされるよう、事務局である北海道に重ねて要請してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(福島恭二議員) 貨物路線の状況が分からないと、収支の判断はできないと思います。議論を進めるよう、強く道に訴えるべきだと思います。 答弁によれば、これまでそれなりの話合いはしているように聞こえましたけれども、その成果が何も上がっていないのではないかと言わざるを得ません。 国や北海道、沿線市町村が貨物路線を持たない場合、貨物路線は廃止されてしまいます。函館市や道南の多くの自治体で、農作物などをJR貨物により輸送していることは御承知のとおりだと思います。 質問いたします。貨物路線が廃止され、陸送になった場合、函館の一次産業、特に農業には、どのような影響が出ると考えられているのか、お尋ねいたします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 鉄道貨物が廃止された場合の物流への影響についてのお尋ねです。 鉄道貨物輸送につきましては、我が国の食料基地としての役割を担う北海道において、欠かすことのできない輸送手段の一つであり、特に北海道から本州に運ぶ農産品の取扱い量においては、年間約4割を鉄道貨物が占めるなど、北海道全体の物流を支える重要な社会インフラとしての機能を有しているところであります。 本市の農産物につきましても、本州方面などの他産地が出荷時期を終え、市場価格が高く推移する端境期に輸送力が高く、速達性と定時性が発揮される鉄道貨物を活用し、集中的な出荷を実現することにより、農業経営の安定に寄与しているところであり、仮に鉄道貨物が廃止となった場合におきましては、産地間競争力の低下や農家所得の減少などの影響が生ずるものと考えられるところであります。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 今、絶大なる影響、計り知れない影響があると答弁されました。 まさにそのとおりだと思いますし、これまでの対策協議会の議論の中でも、まだ初めだとは言え、全く議論もされていないし、既に旅客が──八雲、森そして七飯町も含めて、旅客列車は要らないということになっておりまして、貨物だけが残るという状況でありますけれども、貨物については、全く議論されていない状況にあるわけであります。 したがいまして、この問題については、並行在来線の協議に大きな影響を与えるのではないかと思いますので、並行在来線の協議と同時に、北海道や国など関係機関に貨物路線の存続も併せて要望していくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎企画部長(柏弘樹) 鉄道貨物の存続に向けた要請についてのお尋ねであります。 鉄道貨物をはじめとした北海道の物流の在り方につきましては、北海道にとどまることなく、全国各地に様々な影響を与えるものでありまして、我が国全体を俯瞰した国策として判断される必要があると捉えております。 併せて、令和12年度に見直すこととされております貨物調整金制度につきましても、第三セクターが運営することになります鉄路の維持には、大変重要な役割を担う制度でありますので、まずは、並行在来線対策協議会において、北海道に対し、貨物を含めた一体的な議論を重ねて要請してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(福島恭二議員) いずれにしても、行政が動いているわけですから、もっともっと積極的に動くべきだと思います。 私が聞いている限りでは──国のある役人さんの発言として聞いていますけども、こういう状況にあるのに、地元函館を含めてどの市町村も、この要望については動いていないと。残しようにも残しようがないと。地元で必要だということでもっともっと動いているならば、国のほうでもやりやすいという話まで飛び出しております。 私でさえ、そういう意見を聞いているのですから、あなた方はそんな話を聞いていないわけないと思うんですよ。それが、この程度の行動しかしていないと、極めて残念だと思います。北海道の動きを黙って待っているのであれば、後の祭りです。貨物の問題は、ライナーだけでなくて農業への影響も大きい。市はもっともっといろいろなことを想定しながら、この問題について努力を続けるべきだと思います。 この情報についても、あまり議会に報告がないものですから、私どもは新聞報道で知るしかないところでもあります。 質問いたします。ブロック会議から間もなく一年が経過するわけでありますけれども、この間議会には、昨年4月のブロック会議の関係資料しか配付されておりません。もっと我々議会と情報を共有しながら対応すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎企画部長(柏弘樹) はこだてライナーの存続に向けた、議会への対応も含めた今後の対応というお尋ねであります。 はこだてライナーが運行されております函館・新函館北斗間は、新函館北斗駅と函館市内をつなぐアクセス路線として、北海道新幹線の札幌開業時には、その重要性はより一層高まることが見込まれており、はこだてライナーの存続に向けた取組につきましては、本市の重要課題の一つであると認識しております。 このようなことから、今後、並行在来線に関する協議を進めるに当たりましては、市議会の御理解、御協力が不可欠でありますことから、適宜、渡島ブロック会議での協議状況などについてお示しするなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(福島恭二議員) 今の答弁もそうですけれども、何度も同じような答弁であります。 議会や市民ともっともっと情報を共有しながら対応すべきでありますけれども、この1年間、ほとんど何も決まっておりません。ただ単に時間だけが過ぎているという感じでなりません。後志ブロックの状況を見ると、情報が出たときには、既に外堀が埋まっているという状況でした。 10年前の5月、市長は、我々市議会の各会派代表者を招集して、北海道新幹線の札幌延伸に伴う函館・小樽間の並行在来線の経営分離に同意すると、新聞では、決断は涙ながらにしたというように報道されておりました。この涙は一体何だったんでしょうか。 商工会議所は、町会連合会などが経営分離に反対を表明している中、相当悩んだ上での苦渋の決断であったのではないかと推察したいと私は思うんですよ。ところが何ですか、この結果は──今日までの結果は。だから私は、その涙は何だったんだと言いたいんですよ。何もやっていないじゃないですか。このときは、私なりにも市長の決断を精いっぱい応援したつもりであります。当然のこととして、約束事でありますから、北海道新幹線函館着工のためには、こういう条件をのまざるを得なかったという苦しいやむにやまれぬ条件であったんですよ。だから、何が何でも着工された以上、約束は守らなければならなかったんですよ。私に言わせれば、涙をのんで決断する何物でもないんですよ。市長になった以上は、当然、その約束を果たさなければならないという気持ちで、私は市長になったんだと思うんですよ。私は、今現在も現職でありますけれども、その約束は、私も同時に守らなければならないという強い危機感と責任感を持ってやろうとしているんですよ。それなのに一方では、あぐらをかいた──まさにこの現在の状況は、座して死を待つばかりだと言わざるを得ない状況じゃないんですか。 市長は、そのようなことは心配させない、函館から鉄路はなくさないと言って、経営分離に同意いたしました。その気持ちは今も変わらないんですか。答えてください。 ◎市長(工藤壽樹) この新函館北斗駅と函館駅現駅との間の鉄路は残すという決意は、今も変わっておりません。 ◆(福島恭二議員) はっきり聞こえなかったんだけど、もう一回言って。 ◎市長(工藤壽樹) 新幹線新函館北斗駅と現函館駅との間の鉄路をきちんと維持存続させるという当時の気持ちは、今も変わっておりません。 ◆(福島恭二議員) そういうこと。当然のことだと思いますけれども、もっとはっきり、そのとおりだといってもおかしくないと思うんですけど、そういう気持ちで変わりないということを受け止めておきます。 今年の2月3日、小樽・函館間の並行在来線のうち、長万部・余市間の鉄路を廃止、バス転換が決定いたしました。小樽・余市間は、継続審議中ですけれども、次は、長万部・函館間の協議に入ることになります。この区間は、JR貨物が使用し、企画部は鉄路は残ると楽観しているようでありますけれども、しかし、既に長万部町などがバス転換を希望し、路線を持たない意向を表明しております。その場合、路線は北海道が持つのかどうか、先ほどの答弁から言っても、いまだはっきりしていない。このことが、ライナーの存続に影響するということは、市は確認や検討をほとんど何もしていないという状況であります。 小樽・長万部間の協議会の内容は、当然承知していると思いますけれども、北海道の担当者は、極めて醜い態度で接しているようであります。 一例を挙げますと、あなた方は、経営分離に、つまり経営分離・路線廃止に同意したんでしょうと。同意したんだから、鉄道が欲しいなら自分たちで運行しなさい。でも、こんなにお金がかかるんですよ、無理なんじゃないですか、やれますか、だから諦めたほうがいいですよと、こう言わんばかりの態度なんですよ。だから、貨物の話なんか一切出ないわけですよ。なぜ出ないのかということなども考えながら対応していかなければならないはずなんですよ、先ほどの答弁からすると。何もやっていないと。 利用者の多くが鉄路の存続を求めている余市町に対しても、新幹線駅舎がつくるのが間に合わなくなるから、早く結論を出せと言わんばかりですよね。まるで脅しているような態度なんですよ。関係首長が北海道の考え方を求めても、糠に釘の状態であります。 函館市は、経営分離に同意するときに、北海道やJR北海道から支援を約束する、確約する文書があり、大丈夫だというのかも知りませんけれども、本当にそう思うんでしょうか。先ほど市長の答弁では、残すことに変わりないというような趣旨の発言をいただきましたけれども、現に、スイッチバックで函館まで──現駅まで乗り入れしてほしいという約束をした時期がありますけども、あの確認書も簡単にほごにされたという苦い経験がある函館であります。 でありますから、私は、そういった経験を踏まえて、当時、市長にも提言したつもりでありますけれども、確認文書は市民に公表しながら、市民とともにJRや北海道に染まらず、こういう気持ちを込めて市民に明らかにしながら、公表して今日に至っていると思うんです。今こそその武器を使うべきだと思うんでありますけども、そのことすら、昨日の答弁では、エゴになるからとか変なことを言っていますけどね、何がエゴですか。堂々とそれを武器にして向かっていったらいいんじゃないですか。ある意味では、それはへ理屈なんですよ、私に言わせると。 ライナーがなくなって困るのは、函館なんですよ、一番、これは。しかし、ライナーの維持費は単独では賄えないくらいかかるという状況であります。初期投資でも160億円、精査しても、少なくとも100億円以上はかかる状況になってくるんだと思うんです。そのときに、道の協力、国の支援なくして、単独で維持できるわけがないんですよ。だから、そういうことにならないように、積極的に真面目に動いてほしいということを常々言ってきたつもりであります。 質問いたしますけれども、今回は、北海道の支援がほごにされないと、JRや北海道にそういう保証・確認を取っているんでしょうか、まず、お尋ねいたします。 ◎企画部長(柏弘樹) 北海道による支援等についてのお尋ねであります。 市といたしましては、はこだてライナー区間に関し、平成23年の経営分離への同意の際に、北海道から頂いた文書であります新函館・現函館間の鉄道運行等に関する基本的事項により、札幌開業後も、経営分離前と同等の利便性、サービスを維持するため、アクセス列車の運行に関して、北海道及びJR北海道の両者が支援、協力するとされていることを踏まえまして、これまでも、北海道とは状況に応じ、当時の経過はもとより、その内容について確認しながら、協議を進めてきたところでありまして、今後につきましても、同様に対応してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(福島恭二議員) 関係者の間では、北海道は長万部以南の鉄路は持たなくてもいいんだという話さえ出回っております。だからこそ、函館市がライナーを残すと言わなければならないんだと私は思うんです。にもかかわらず、そんな北海道に任せていって、何も動いていないんじゃないですか。道に任せる話ではないと思うんですよ。私は、これまで主体性を持ってやれと言えば、その言葉尻を捕えて、主体性は道が持つものだと。私は、函館が積極的に動かなければ駄目だから、動いてくださいということを言っているんですよ。人の揚げ足ばかり取って。 だから、こういったことも何回聞いても、貨物が残るかどうかもライナーが維持できるかどうかも、北海道が本当に支援してくれるのか、何一つ、今までの答弁を聞いても、満足な答弁はされていないんじゃないですか。 昨日、市長は、同僚議員の質問に対して、交渉事だからはっきり言えないとか、今からライナーを残せというのは函館のエゴだとか答弁していましたけども、よくもそんなことを平気で言えるんですね。あなたどこの市長なんですか。函館の市長なんですよ、あなた。ライナーは残す、北海道の支援もあるから心配しなくてもいいよって、市民に約束して、経営分離に同意したんですよ。ライナーを残すのは当たり前のことで、エゴでも何でもないと思うんですよ、私は。しかも、重大な発言をしているんです、私に言わせると。これからの交渉事ではないんじゃないですか。約束なんですよ、これは──残すというのは。何で交渉なんですか、残すということが。揚げ足を取られます、これ道から。あなたが交渉事だと言うんだったら。中身のことは交渉事ですよ。約束事ですよ、これは。約束なんですよ、あなた。堂々とライナーを残せと言ってもおかしいことないんですよ。 私は、これまでの答弁を聞いて、残念で残念で、死んでも死に切れない状態ですよ。こんなことで、私はあの約束に同意したわけではないと思っているんですよ。もっともっと積極的に約束事を守るということで取り組んでいっているものだと思うし、成果を上げるものだと期待していたんですよ。それがここへ来て、エゴだからだとか、交渉事だとか、これから交渉したら大変な話ですよ、これは火を見るより明らかですよ、これは。交渉事でないんですよ、約束事なんですよ。もし、これがそのとおりいかなかったら、市民に対する大きな裏切り行為ですよ、何度も申し上げますけれども。私は、そのくらいの問題だと思うからこそ、声を大にして何度も何度も、申し上げているんですよ。にもかかわらず、全く言葉遊びみたいな、やっているやっていると言うけれども、何も成果が上がっていないんですよ。あまり市民や議会をばかにするようなことをしないで、もう少しきちんとやってください。そういうことを強く申し上げておきたいと思います。 市長は、次の選挙に出るのか出ないのか分かりませんけども、これは任期中にはっきりさせていく問題だと思いますので、どうか一つ約束事をきちんと果たしていくように強く要望して、この質問は終わりたいと思います。 次に、棒二森屋跡地のことですけれども、棒二森屋跡地の公共施設整備についてお尋ねいたします。 前回は、理事者から突然、市民意見を聞いてから協議したいと、委員会にもかけず、姑息にも突然文書が出てまいりました。 新型コロナウイルス感染症の影響で市民説明会はいまだ開催できない状況にあります。整理がついていないが、2フロアを買う動きで進んでいるように思います。市民説明会の状況を見てからと思ったんですけれども、2フロアありきで、公共施設集約ありきの動きが見受けられます。 昨年の12月に続きまして、確認いたしたいんですけれども、改めて少し経過を振り返ってみたいと思います。 令和2年1月の政策会議では、3階部分に市の公共施設の設置を要望されておりまして、公共施設については、今後改めて相談したいとなっておりました。 また、翌年──令和3年4月の配付資料では、準備組合から図書館機能、交流機能を有する公共施設の設置について、市へ要望があったと記載されておりました。 昨年5月の経済建設常任委員会委員協議会での質疑に対し、小林経済部長は、すべからくどの施設が統合できるのか、また、担当課長は、市に対し、具体的に何フロアを使っていただきたいという要望はないと答えておりました。 そうした中、昨年9月に経済建設常任委員会に中間報告として資料が配付され、統廃合を検討する施設として女性センター、谷地頭老人福祉センター、ふらっとDaimon、東川児童館、千歳図書室の5施設が挙げられました。商業棟の3階、4階の2フロアに設置する予定とされました。何の説明もない突然のこの案は、我々市民を無視し、議会を軽視したも同然でないかと言わざるを得ません。 令和2年の政策会議以降、利用者への説明もほとんどなく、議会に対する説明など全くされないまま、各部との協議もまともになく、政策会議も開かれず、当初はなかった公共施設の統廃合案が突然出てきました。 準備組合からの要望は、図書館機能、交流機能を有する公共施設の設置であったのに、いつの間にか公共施設の統廃合が目的になってしまいました。 質問いたします。公共施設を集約する理由と、統廃合対象施設が決定された経過はどうなっているのか。なぜ、公共施設集約の案を政策会議にかけないで公表したのか、お尋ねいたしたいと思います。 ◎経済部長(小林利行) 公共施設を集約する理由と、統廃合対象施設などについてのお尋ねでございます。 まず、公共施設を集約する理由でございますが、函館市公共施設等総合管理計画におきまして、今後、人口減少や多くの公共施設が更新時期を迎えることによる更新経費の増加が見込まれることを勘案いたしまして、施設の保有総量の縮減が必要との考え方が示されているところでございまして、本施設の整備に当たりましても、周辺の役割が重複する公共施設等の複合化による施設の維持管理経費や、将来における老朽化に対応した大規模な修繕、建て替えのための費用等の削減につなげていくことが必要と考えまして、複合化・集約化を検討することとしたところでございます。 また、複合化施設の決定経過でございますが、令和3年──2021年2月に開催されました特別職を含む庁内会議におきまして、周辺施設の複合化の検討や、その候補施設について協議がなされ、その後、関係部局との調整を行った上で、複合化の検討が可能な施設を抽出したところでございまして、所管の委員会へは現段階での検討対象施設としてお示ししたところでございます。 今後、市民説明会や関係団体、有識者からの意見聴取におきまして、いただいた御意見なども参考とするほか、議会での議論を踏まえるとともに、引き続き関係部局とも協議・調整をし、複合化について慎重に検討を進め、最終的には政策会議において複合化をする施設を決定したいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) そもそも、鶏が先か卵が先かという問題ではないんですけれども、公共施設の統廃合が先ではなくて、どのように利用するかを決めてからフロア数を決めるべきではないかと、私は思うんです。2フロアを市が買うことが、先にありきになっていないんでしょうか。 棒二森屋跡地整備の目的は、行政改革のためではないと私は思っております。利用者のことを無視して、公共施設の統合はあり得ないと思います。 質問いたします。なぜ、機能移転なのか。複合化するとしても、そのまま公共施設として移転することも選択肢として入れるべきではないかと思いますけれども、何としてでも、無理やり廃止したいのか、なぜ、機能移転ありきなのか、理解に苦しむところであります。 これについて、答弁をお願いいたします。 ◎経済部長(小林利行) 公共施設の移転についてのお尋ねでございます。 新たな公共施設の整備に当たりましては、地域のにぎわい創出に向けて効果が高まるよう、子供から高齢者まで性別を問わず集い交流する施設が望ましいと考えているところでございまして、限られた面積の中で、それぞれの施設等が区切られるのではなく、誰もが集い交流する施設として、ゆとりある空間、親しみやすい空間を利用者へ提供するため、それぞれの施設の機能に配慮しながら、できるだけ開放的で、また、様々な用途に有効かつ柔軟に対応できる施設にしたいと考えているほか、施設運営の効率性の観点からも、複合化施設として各施設等の機能を移転することが望ましいものと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 答弁を聞きましたが、今、言ったとおりでございまして、何としても、やっぱり統合ありきとしか受け取れません。そんなにスペースが限られているなら、無理して統廃合までして機能を持って行く必要はないのでないかなと。 おたくのほうからもらったある資料によりますと、やっぱり、それぞれの考え方が必ずしも一致していないんですね。それぞれがそれぞれの考え方で、まとまっているという状況にはないように私は受け止めました。 にもかかわらず、一部の──小林部長が先走っているかどうか分かりませんけど──どんどん先に走っているように感じてなりません。 特別職との協議により、市民や議会に説明する前に、統廃合の方針にかじを切っているのではないかとさえ、私は感じています。 質問いたします。政策会議では、準備組合からの公共施設の設置要望は3階部分のみだったんですけれども、昨年の9月の中間報告では3階と4階に変更になった理由は何でしょうか。 どの施設を移転・複合化するのか決定してから公共施設の必要面積を決定すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎経済部長(小林利行) 2フロアへ変更になった理由などについてのお尋ねでございます。 令和2年──2020年1月に開催した政策会議においては、棒二森屋跡地の整備手法と市街地再開発事業制度にのっとった市の支援内容を協議したほか、準備組合から要望のあった商業棟の3階部分に設置する公共施設については、経済部で検討し、今後、改めて協議したいと説明したところでございます。 その後、経済部におきまして、公共施設の設置について検討し、再開発事業が地域のにぎわい創出に向けて、より効果が高まるよう、函館駅前・大門地区にふさわしいものが必要と考えまして、先ほど答弁申し上げました、子供から高齢者まで性別を問わず集い交流する施設として、図書機能や交流機能を持つ施設をイメージいたしまして、検討を進めていたところでございます。 これらを設置するための面積は、類似施設でありますGスクエア、ふらっとDaimon、千歳図書室の床面積を参考といたしまして、2フロア約2,600平方メートルが必要と考え、昨年2月の特別職を含む庁内会議におきまして、その考え方を示したところでございまして、その協議の中で、2フロアでの整備に当たりましては、周辺施設の複合化も含め、検討することとされたところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 次に質問します。 対象5施設の施設利用者への説明状況はどうなっているんでしょうか。 きちんと丁寧に、全館に説明しているのかどうか、また、なぜ突然、統廃合の対象になったのかをどのように説明しているのか、そもそも統廃合は各部の意向ではなかったんではないかなと思いますけれども、答弁をお願いいたします。 ◎経済部長(小林利行) 対象5施設での施設利用者への説明についてのお尋ねでございます。 複合化を検討する施設利用者への説明につきましては、団体利用の多い女性センターや、運営委員会のある東川児童館においては、昨年9月10日に参考配付いたしました委員会資料、公共施設整備の方向性についての中間報告を基に、施設所管部局において、利用団体などに説明を行ったところでございます。 また、千歳図書室や谷地頭老人福祉センターにつきましては、個人利用が多いため、4月に予定している市民説明会において、説明を行うこととしております。 なお、複合化対象全ての施設において説明会の案内チラシやポスターなどを設置したいと考えており、施設を利用する方に広く周知したいと考えているところでございまして、どのように複合化について説明するのかという部分につきましては、この説明会の中で、しっかり考え方について説明していきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 今、聞いても、アリバイづくりのための説明にしか聞こえませんけれども、何にしても──図書館にしても老人福祉センターにしても、何回でもいいですから、丁寧にひとつ説明して、結論ありきということではなくて、説明してほしいなというようなことを申し述べておきます。 質問いたします。去年の11月に関係部長会議が開催されたと聞いております。 このような協議がされたのかどうか、また、その後、庁内での協議は進んでいるのかどうなのか、内容について、お知らせください。 ◎経済部長(小林利行) 関係部長会議についてのお尋ねでございます。 昨年11月に行いました御質問の部長会議につきましては、市街地再開発事業や公共施設整備スケジュールの変更、市民意見の聴取方法などについて、関係部局と協議するために開催したところでございまして、このほか、この会議の中では、施設の利用者や関係団体との意見交換会の開催状況のほか、新たな公共施設のイメージや役割、既存施設の使われ方や施設整備に当たっての課題などにつきまして意見交換をするなど、関係部局で情報共有を図った会議となったところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) この説明会についても、統合ありきで、しかも、時間がなくて功を急いでいたようでありまして、一部長さんが各関係部長さんを集めて議論するという、そこでできれば結論を出したいやの話で進めたようであります。結果的に、各部の意見がまだまとまっていないということもあって、ただ単に意見交換で終わったようでありますけど、いずれにしても、対応の仕方に私は極めて疑問が残ると思っておるところでございます。 以前にも申しましたけれども、私はこの問題について、昨年の12月議会でも、もう少し深く掘り下げて議論したいと思って用意いたしておりましたけれども、しかしながら、12月7日に、突然、この公共施設の入居問題について、市民の意見を聞いてから考えたいということで、突然、市民の意見を聞く場を設けるやの文書が出てまいりました。 これほどの問題について──この問題についての議論は、スペースに合った公共施設を入れるということではなかったのではないのか。しかしながら、ワンフロアなのか2フロアなのか、買うのか借りるのか、ただで入れてもらうのか、それすらも決まっていない中での話でした。 先ほど私が言ったように、この施設、あの施設を入れるという、ある会合の中での議事録を見せてもらいましたけども、ばらばらで、まだまとまっていないにもかかわらずなんですよ、私に言わせると。 そういう状況で、どんどん話が進んでまいりまして、私は順番が違うんではないかなと思ったんです。 私が質問しようとした矢先に、この文書が出回ってまいりました。しかも、委員会にもかけない──委員会の議論も経ないで、私の質問を封じるために資料を提出したやの話さえ出回っていたところであります。 ほとほと最後に、まだまだ内部の意思統一がされないままに、一経済部だけが独り歩きしている問題だと言わざるを得ない状況なんです。 改めて聞きますけれども、市民説明会は延期になりましたけれども、今後どのように進めていくつもりか、また、たった2回、市民の意見を聞いただけで、市民の意見が得られたというおつもりなのでしょうか。それこそ、アリバイづくりではないかと言わざるを得ません。 何度も言いますけれども、なぜ、統合がありきなのか、肝腎の利用者に対する説明も、もっと丁寧にするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎経済部長(小林利行) 市民説明会の今後の進め方につきましてのお尋ねでございます。 公共施設の整備に当たり、今年1月と2月に予定していました市民説明会につきましては、御質問のとおり、市内の新型コロナウイルス感染症拡大に伴いまして、開催を延期したところでございますが、今後、感染状況を見極めながらになりますが、4月中には予定した2回の説明会を開催したいと考えているところでございます。 そのほかにも、利用者への説明ですとか、必要に応じ、また説明会ですとか意見を聞く場を設けていきたいと思ってございますし、施設の統廃合についても、考え方についてそういう場で丁寧に御説明させていただきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) この問題について、私に言わせると、そもそも統廃合して棒二森屋跡地に整備した建物の中に入るということについては、ただ単に入るのではなくて、そのことがまちの活性化に寄与する問題だと捉えているんですけどね。 したがって、お客さんが来なければ意味もないし、このままの状況で魅力あるものにしないと、お客さんは来ないと思うんですよ。公共施設を造ってやればいいというものではないんだと思うんです。でありますから、そういうことを考えれば、公共施設ありきで進むのではなくて、もっと市民の意見を聞きながら、ゆっくりと進めるべきだと思いますけれども。 質問いたします。床の購入の申請はいつするのか、公共施設の集約の件が決定していない時点で、なぜ2フロアで申請するのか、お尋ねいたします。 ◎経済部長(小林利行) 保留床の購入申請、補助の申請についてのお尋ねでございます。 公共施設整備に関わっての国の補助申請につきましては、補助事業の制度上、事前に全体的な事業計画を示すことが求められておりまして、補助金枠の確保のためにも、まずは2フロアを購入することで事業計画を2月に提出させていただいたところでございまして、その計画に基づき、事業年度ごとに補助の申請を行うこととなりますが、今後、公共施設設置の議論を進める中で、整備手法や整備内容の変更が必要となれば、所管部局とも連携しながら、国に対し計画変更の手続を進めるなど、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 補助事業の手前、その制度から事前に提出しなければならないんだという思いのようでありますけども、ともあれ、この問題については、やっぱり、もっともっと慎重に進めるべきだと思います。 結局は、この問題については、何だかんだ言っても、棒二の建て替えの日程も絡んではおりますけれども、ある意味では、その日程に振り回されているような気もするんですよ。 ですから、それに囚われるのではなくて、慎重に、やっぱりこれを入れるからには、やっていかないとまずい問題だと思いますし、私は先ほども言ったように、やっぱりそのことによって、大門が一層にぎやかになって活性化されるという目的に向かってのことなだけに、慎重にやってほしいなと。目的を誤れば何の効果も得られないと思いますので、そのことについて、申し上げておきたいと思います。 そこで、最後の質問になりますけれども、この複合化は市民の意見だとか議会の議論、関係部局間の十分な議論を経ないで示されているものだと言わざるを得ません。公共施設の複合化が目的のように感じます。再開発事業に必要な公共施設的な機能を市民、業者、議会と十分に協議して丁寧に進めるべきではないかと思います。 したがいまして、一度統合案を白紙に戻して利用者の意見を丁寧に聞き、議会で議論し、改めて結論を出すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎経済部長(小林利行) 今後の事業の進め方についてのお尋ねでございます。 棒二森屋跡地における公共施設の整備の進め方につきましては、市街地再開発事業のスケジュールなどを踏まえまして、市の考え方として、昨年9月に中間報告を議会へ御報告したところでございますが、所管の委員会では市民や関係団体、専門家からの意見も聞くことなど、慎重に進めるべきといった御意見をいただいたことなどから、全体的なスケジュールの見直しを行ったところでございます。 今後の施設整備や複合化につきましては、市民説明会や関係団体、有識者などからの意見聴取などを行い、地区にふさわしい施設を検討していくほか、特に所管の委員会において、調査事件として取り扱われることとなりましたので、委員会での議論も十分に踏まえまして、慎重に進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 今、私があえてそういうことを申し上げたのは、先日、経済建設常任委員会で、棒二森屋跡地整備の件が、小林委員長のすばらしい判断で閉会中継続調査事件になりました。 今こそ、ここで改めて大いに議論を深めるべきだというふうに思いました。 行政は継続だという声もありますけども、一方で、立ち止まる勇気も必要だと思います。 委員会で改めて公共施設の統廃合の必要性の議論が必要だと思います。 原点に立ち返り、市民や議会と対話しながら、そもそも何のためにこの事業を実施するのか、私を含めて、関係者の一人一人がもう一度考えるときだと思います。 繰り返し申し上げますけれども、この事業の最大の目的は、公共施設の統廃合ではなく、個々の商店が人を呼んだらその人たちが立ち寄れるという魅力あるまちを、店をつくることが本来であって、そのことは商店街の活性化に結びつくものだと思うから申し上げるものであります。 ぜひひとつ、そういう視点に立って、見直しをされますことを大いに期待して、この部分については終わりたいと思います。 最後にキングサーモンのことですけれども、これについても、ちょっと時間が足りないんですけども、もう40分切っちゃったね。頑張りますよ。 キングサーモンの養殖について質問いたします。令和3年度から、キングサーモンの完全養殖技術の研究、浮沈式生けすの耐久度事前調査を実施しているようであります。 昨年の我が会派の小山議員の代表質問に対して、キングサーモンは脂肪分が多く美味でありネームバリューがあることから、高価格帯での取引が期待できるほか、国内で流通している生食用サーモンは、アトランティックやトラウト、ギンザケが大半を占めていることから、マーケットが競合せず、相場変動の影響を受けにくいと判断いたしまして、キングサーモンを養殖研究の対象魚種として選定したところでありますと市長は言っています──答弁しました。 魚種の選定はどこでしたのかと、本当は聞きたいんですけど、時間がございません。 価格や流通量、さらには、他のサーモンと競合を考慮してキングサーモンを選定したということですけれども、技術的な課題や流通量が増大した場合、販路の目途や価格の低下など、そういったことを検討した形跡は全くありません。 質問いたします。キングサーモンを選定した理由は何か、また、いつ誰が発案したのか、お尋ねいたします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) キングサーモンを選定した理由などについてのお尋ねですが、キングサーモンにつきましては、国内での養殖事例がなく、天然ものもほとんど流通していないことから、希少性が高く、高価格帯での取引が期待できるほか、国内で流通している生食用サーモンなどとマーケットが競合しないことから、差別化が図られるものと判断したところであり、加えて、北大大学院水産科学研究院がキングサーモンの発眼卵をふ化させて飼育試験に取り組んでいたことも、選定理由の1つであります。 また、いつ誰が発案したのかとのお尋ねですが、平成31年1月に市長から養殖対象魚としてキングサーモンはどうかとの提案があったところであり、その後、農林水産部が多角的な視点でキングサーモンの養殖の可能性について調査・検討した結果、ただいま御答弁申し上げた理由をもって選定することとしたところであります。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 農林水産部が選定、決定したと。決定権はどこにあるんですか。 調査はどんな調査をしたんですか。どこにも行っていないでしょう。 調査したのは三陸や青森県や、普通のサーモンを養殖したところに視察へ行っているんじゃないですか。詭弁ですよ、それは。 高価格帯での取引を期待する、マーケットが競合しない、当たり前の話だよ、これ。日本で獲れていないんだから。つくっていないんだから。 いつでも、根拠もなく希望的観測でしかないんですよ、これは。本当にあきれるね、こんなことを平気でやるというのは。 平成31年1月に養殖対象魚としてキングサーモンはどうかと市長からの提案があったと答弁がありましたけれども、公文書には一切そのことは書いておりません。書いたものもございません。時期だけでなく、提案が指示かも何かも分かりません。 キングサーモンの養殖事業は、昨年の金澤議員の代表質問に、この事業は中長期的な取組になるものと考えておりますと答弁していました。 中長期的なものになるんですよ、確かに。短期的なものになってしまっているじゃないですか。 そもそもキングサーモンの養殖については、国内には事例がないんですよ。知見もほとんどない。将来的な、市の多額の費用負担が懸念される問題でもあります。なのに、政策会議では会議にかけるのは重要施策その他重要事項に関する事項となっておりますけれども、政策会議にはかけていないわけであります。 なぜ、キングサーモンの養殖事業を政策会議にかけなかったのか、お知らせください。 ◎農林水産部長(松浦眞人) キングサーモン完全養殖研究事業の意思決定に関わってのお尋ねですが、このたびのキングサーモン完全養殖研究事業につきましては、平成31年度政策予算編成等に係る特別職協議の中で、魚類海面養殖試験事業について協議し、市として浮沈式生けすでの実証実験や飼育試験などの養殖事業を実施し、事業化の可能性を検討することを確認したところであります。 その後、所管部局として浮沈式生けすの調査をはじめ、餌の開発や販売事業を手がける事業者との意見交換のほか、市の魚類等養殖推進協議会の意見等も参考にしながら、魚類の海面養殖事業の全体像を構築した上で、キングサーモン完全養殖研究事業に係る費用を令和3年度当初予算に要求することとしたものであり、事業の実施の有無については、特別職の予算査定の中で判断していただいたものであります。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 最終的には予算を査定する前に、特別職の会議で──特別職との協議で決めるのは当たり前だと思うんです。 だから、市長が指示して決まったからこそ、会議にかけなかったんだと思うんです。 極めて不透明なんですよ、やっていることが。 令和2年第1回定例会の予算特別委員会経済建設分科会で、当時の農林水産部長は、最終的にビジネスとして成り立つかどうかという視点を常に持ちながら検討を進めていきたいと答弁しています。 ほかにもどのサーモンがこの海域に適しているのか、当然サーモンによってはその餌代が非常に違うと。経営コストの部分も当然加味しなければなりませんので、そこら辺の状況も研究しながら魚種の検討もしていきたいと答弁していました。 サーモンによって増肉係数が低い方が──つまりその魚がどれほど食べるのか食べないのか──食べないほうを使うのが一番効率的なんだそうでありますけども、そういっただけでありますので、あとは海水温の関係で餌の食べ方も全然違いますし、そこら辺を見極めながら、魚種というものは検討していかなければならないと答弁しているんですよ。 つまり、ビジネスとして採算性、餌代、増肉係数、餌の食べ方を検討した上で、どのサーモンにするかを決定すると答弁しているんですよ。 この段階では、キングサーモンとは決まっていないんですよ。 今、述べた要素を分析して決めると、答弁しておりますけれども、しかし、その答弁から1年足らずの昨年の代表質問で、脂肪分が多く美味、ネームバリューがあるから高価格帯で取引ができる希少価値のあるものだと。国内での流通、生食用サーモンはマーケットも競合せず、相場変動の影響を受けにくいんだと。本当、これは当たり前の話なんだよ。 それがサーモンをつくる理由になっているんだけれども、私に言わせれば、本当にうましかだなと思うんですよ。 キングサーモンを対象魚種として選定したと、市長は答弁しました。この議会でも、松宮議員の代表質問にも同様に答弁しております。 農林水産部長が答弁した科学的分析、調査もせず、キングサーモンと決定したのは、なぜなんでしょうか。キングサーモンありきで進めているのではないですか。 しかも、マーケットは競合しない、相場の変動は影響しにくいなど、根拠もなく希望的観測に基づき魚種の決定をしたと答弁しているのと同じであります。 根拠とするなら、分析した数字を出して、皆さんに示していただきたいと思います。 当時の担当部長は予算特別委員会経済建設分科会において、試験養殖の知事の承認を取るには、生けすが間違いなくもつことが前提と答弁しております。 令和4年度に1年間、生けすを海中に入れて耐久度の調査をすると聞いておりますけれども、これは将来のサーモン養殖区画漁業権の取得にも欠かせないものでありまして、区画漁業権が取得できるかめどがない場合、事業を実施する理由がなくなってしまいます。 質問いたします。取引価格、価格変動に関する分析も含め、キングサーモンの養殖事業の採算性の確保は、いつ、どのように検討されたのか。餌代、増肉係数、餌の食べ方も含め、具体的な検証結果を説明すべきでありまして、この生けすの耐久度が、万が一もたなかった場合、事業を中止するんでしょうか。お答えください。 ◎農林水産部長(松浦眞人) キングサーモン完全養殖研究事業の採算性等についてのお尋ねですが、キングサーモンの生態に関する知見は国内にはほとんどないことから、現在、国際水産・海洋総合研究センターにおいて飼育しながら、生態の把握や水温等の飼育環境の調整など、今後、養殖事業に必要となる各種データの収集のほか、遺伝資源の保存技術の研究などに努めているところであります。 新年度からは、国の地方大学・地域産業創生交付金を活用しながら、北海道大学などの研究機関と連携の下、完全養殖技術の確立に向けた研究に加え、餌の開発や病気の対策など、将来の事業化に向けた研究も並行して進めてまいりたいと考えており、そうした課題を一つ一つクリアした中で、採算性も含め、事業化について判断してまいりたいと考えております。 なお、生けすにつきましては、今年度3月に──今月中に、潮流の研究調査等を含めて、どこに生けすを設置するかという、その判断を3月中にということで、新年度からは、その生けすを──潮流に耐えられるような生けすを製作しまして、それを秋頃に海面に設置をしたい、そういう事業を令和4年度に行いたいと考えておりまして、いずれにしても、そういう調査を一つ一つ、今後、実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) やっていませんね。 少なくとも、事業を始めるに当たっては採算性、いわゆる費用対効果のことを考えながら取り組むのが普通じゃないですか。 私に、ある市民から1通のメールが入りました。キングサーモンを対象に選んだ理由は何でしょうかということから始まって、議会でのやり取りを聞いていると、成功するかどうか全く分からない基礎研究段階、これに多額の資金を注ぎ込むのはかなり効率の悪いやり方だと思います。基礎研究に税金を注ぎ込むのが悪いとは思いませんが、政策テーマにするのは早過ぎるのではないでしょうか。こういうことが書かれて、こんな1枚のものが来ました。 素人が思いつくようなことでも工業化レベルでの確認をしておくのは大変なことだと思いますが、ましてや10匹ぐらいにも満たない程度のビーカーレベルからのスタートでは、これからどのくらい時間がかかるか分かったものではありません。北大は論文にすることが目的だと思いますから、経済レベルの調整が必要です。かなり詳しい方ですよ。飼育水槽の大きさ、深さ、形状、水温、水流、酸素濃度、与える餌の種類、量、餌の時間、餌の嗜好、病気、ふ化から出荷までの時間、必要人員、収益を上げるための経済計算、かなりこの方は詳しい方です。そういう費用対効果を考えたときに、あまりにも無謀だということなんです。今の答弁からしても、これから採算性を考える、全くとんでもない話ではないかと思います。 先ほど言ったように、生けすのテストの結果、区画漁業権がなければ養殖ができないわけでありますから、答弁はまともに答えておりません。 新年度実施する調査で、生けすの耐久性がもたなければ、試験養殖もできず、当然養殖事業もできないということが、過去の答弁からも明らかになりました。これについては、調査結果を後日また確認させていただきます。 ともあれ、これまでの議事録を見ますと、委員の1人から様々なコストの計算の下にシミュレーションを行い、どのような養殖をすればもうかるのかなど経済性の検討を行ってはいかがでしょうかとの意見もありました。 つまり、このキングサーモン養殖事業の協議会での議論のときにも採算性の検討は行われていない。だから、採算性の確保についての答弁が今のような答弁にしかならないというふうに思わざるを得ないんです。 自分たちの採算性の確保は大事だと言っておきながら、これから判断するっていう答弁でありますけども、あり得ないんじゃないですか、そんなこと。事前に採算性の試算もしないで事業の着手後にやるなんて、これまでの答弁からすると、全く矛盾した答弁ではないかと思わざるを得ません。 予算特別委員会経済建設分科会で、市内の漁協や組合員などの参画に期待していると答弁がありましたけれども、漁協の役員などから天然魚類の水揚げ量が減少する中で新しい魚類養殖事業に期待する声がある一方、漁業者が置き去りにされるとの心配や津軽海峡での養殖事業に対する疑問の声があったのではないでしょうか。 漁協や漁業者がやるかやらないか分からないまま進めるべきではないと思います。それとも最初から生産者は相手にしていないのかどうなのか。 質問いたします。地元の漁業者と意見交換が行われたのか、漁協や漁業者を事業主体として見ているのか、いないのか、民間企業にやらせるつもりなのか、誰も望んでいない事業に多額の税金をかけるのではなくて、漁協や漁業者に対してもっと身近で今困っていることに対して支援すべきではないのかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 事業実施に当たっての漁協や漁業者との関わりについてのお尋ねですが、このたびのキングサーモン完全養殖研究事業につきましては、天然資源に依存しないつくり育てる漁業のウエートを高めることとし、漁業協同組合や学識経験者等で組織する魚類等養殖推進協議会などの意見も踏まえながら実施することとしたものであります。 また、当該事業につきましては、漁業者の所得向上につながるものでなければならないものと考えており、現在、市が主体となって取り組んでいるところですが、将来的に事業化のめどがついた後の展開については、どのような経営体で事業を運営するか現時点で未定であり、今後あらゆる可能性について検討してまいりたいと考えております。 なお、漁業の振興策につきましては、これまでも漁業協同組合などから要望があった事業などについて、市として支援しているところであります。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 次に聞きます。 養殖技術が仮に確立された場合、その技術は市が知的財産権を持つと思うんですけれども、どうなのか。多額の税金を投入した函館市のメリットが失われるようではまずいと思いますので、そのことについての見解をお伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 研究成果となる養殖技術の取扱いについてのお尋ねですが、このたびの地方大学・地域産業創生交付金事業での研究開発につきましては、委託研究で行うことを予定しております。 委託契約につきましては、研究成果として得られた養殖技術の取扱いを含め、現在、受託者である北海道大学と契約内容の最終的な協議をしているところですが、今後、養殖技術が確立された場合にはその権利は市が有することとし、北海道大学が第三者から実施許諾などの依頼があった場合には事前に市と協議をし、市の承認を受けることとするなど、委託者である市の権利を保全する契約内容にしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(福島恭二議員) 時間もなくなったので、確認だけしておきますけれども、いずれにしてもこれは知的財産といって、担当者の説明からするとほんの一部だというようなことも言っています。技術の一部っていうことを言っているつもりなんでしょうけれども、いずれにしても多額の費用をかけて万が一成功した場合、それを市が自由に使えるような環境に置かなければならないと思うんです。そのためにもくれぐれも市がその権利を保有するという前提で、取り組んでいただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 私なりにこのキングサーモンのことについて申し上げてきましたけども、キングサーモンはサケの中でも冷水を好む魚なんです。大河川のある北米などを中心に繁殖しておりまして、日本の沿岸は海水温が高いため、また大きな河川もなく、遡上産卵して繁殖するという環境が全くないんです。 特に最近は御案内のとおり、温暖化によって海水温がどんどん上昇しております。したがって温水を好むブリが回遊しておりまして、水揚げされている実態であることは御承知のとおりです。 よって、キングサーモンの完全養殖はいまだ確立されていないんです。将来的な投資額や採算性、失敗した際の税金の投入の有無などについて十分議論を尽くし、初めてゴーサインを出すものだと思います。はっきり言って、水産や漁業の専門家でもない市長の思いつきで多額の税金を投入するべきではないと私は強く申し上げておきたいと思います。 市長はこれまで、議会などで自由な発言をしなさいと言っておきながら、意に反する意見は大きな声で叱責をする──ある意味ではパワハラですけどね。副市長から何のフォローもなく、職員は萎縮して、ほとんど発言する職員がいないと聞いております。 職員のアイデアで成功したものは自分のアイデアだと自慢しています。失敗したものは職員の責任に転嫁する。今回拡大する医療費助成制度も市民や議会が幾ら要望しても、提案しても、無料化はよくないと、無料化は嫌いなんだと言っておきながら、今回は自分で考えたように予算がつきましたね。これには驚きました。素直に皆さんの意見を聞いて考え方を変えたんだから付けたんだよと言えばいい人なんですよね、本当は。 市長は就任時期に、責任は俺が取る、失敗してもいいから挑戦しろと、減点主義じゃなくて加点主義だと言っていました。実態は全く逆じゃないですか。 これから言いますよ。思いつきで場当たり的予算のばらまきはしません。税金は大切に使います。誰がいつ、どこで何を決めたかの意思形成過程と責任の所在を明らかにし、行政の透明化を進めますと。誰が言ったか分かりません。ほかでもない工藤市長の公約の一節なんですよ。今やっていることはどうですか、反省してくださいよ。こんなこと言いたくなかったんだよ。あなたはこういうことを表に出して言わなければ分かってくれないから言わざるを得ないんですよ。 これはやっぱり、もう少し謙虚になって、そういった言ったことに責任を持ってくださいよ。職員からアイデアが出るわけがないから、研究生や職員や議員に支えられているとかという、そういう思いすらないんですもんね。私はいつか、裸の王様と言われていますよということも伝えたはずです。裸の王様で結構ですという返事が返ってきました。私は親心に言っているつもりなんですけどね、そういう答弁でした。 市長が就任して、教育長は民間から──一般職から登用するとやりました。一人で終わりました。何で一人で終わったのか、元に戻ったんです。今の教育長さんはおかげさんで立派な方ですから、いいんですけれどもね。公約としては一般職から登用しますということだったんです。これもあっさり何の検証もなく変わりました。約束は守ります、信念を貫きます、こういう公約だったんですよ。もう一度原点に返ってみてくださいよ。あと1年ちょっとですけどね、任期は。 だけど、やっぱり言ったことは責任を持ってください。今回の西小学校の跡地に道営住宅を持ってきますと、どこで決めたんですか。これだって思いつきなんですよ、あなたの。何でも思いつきなんですよ。思いつきで物事をやられても困るんですよ、これは。言ったことにきちんと責任を持って、市政運営してください。 強引に実行させるけれども、責任は取らない。このような行政手法がまかり通るんだったら、本当に誰も行政のことなんか信頼しませんよ。民信なくば立たずとよく聞く言葉だけど、もう少し考えてやってくださいよ。 例えば、日本一の福祉都市、ガーデンシティ構想、中心市街地活性化事業、棒二森屋跡地の公共施設の整備、ビバリーヒルズ構想、そして今度のキングサーモン。みんな行き当たりばったりというか、思いつきの政策でしょう。 私は、現在3期後半になりました工藤市長のこれまでの市政運営について、私なりに感じたことを今申し上げましたけれども、これも私のこれまでの議員生活の中で、これほど議会や議員の意見を無視するような市長はおりませんでした。中でも一番よかったのはやっぱり木戸浦さんと井上さんでしたね。木戸浦さんはいろいろなこと言われましたけども、いい人でしたよ、あの方は。今のような強引なやり方は誰もしていませんでした。ちゃんと費用対効果のことも考え、それは第一に行政のこと、市民のことを考えるからそうなるんだと思います。当然だと思うんだけど。 5人の市長と関係してまいりましたけれども、歴代の市長さんは、やっぱり多額の税金を投入する新事業についてはまず調査費を計上して、その事業の成否や費用対効果など十分検討して、税金の無駄が生じないよう慎重に着手するかどうかを見極めて決定したと考えております。しかし今、どうでしょうか。十分な庁内議論や事前の十分な調整も行われないまま不可解な決定が行われ続けているんですよ。そこでは多額の税金が失われているのではないかと思わざるを得ません。 つまり、事業の検証と結果が市民や議会に対し、正確に報告されていないからなんですよ。よく考えてみてください。どこかの会合で突然思いついたようにあれをする、これをする。発言したその発言が、当然庁内議論などを無視して、既に発表してしまったんだから、担当部局でやってくださいと言わんばかりです。そういう強圧的に予算を実行させているのが現在の実情でないでしょうか。これこそ、思いつきによる独善的で先制的な市政運営そのものだと言わざるを得ないと私は思っているんです。 どの事業も単なる思いつきによって、しかも十分な議論を許さない、こういう雰囲気で推し進めてきた現在の結果であります。 市役所内で自由闊達な議論ができないこうした状況が市政の閉塞感を引き起こしていることに気づくべきではないかと私は思うんです。 このキングサーモンの事業は、政策会議にもかけていない、記録もほとんどない、さらにまともな採算性や科学的な検討は一切されておりません。 結局は全て市長の独断で進められてきたことが改めて浮き彫りになったと言わざるを得ません。こうした行政運営について、私は黙認するわけにはまいりません。 これまでの事業の検証や、市役所内の風通しをよくするために、これからもここに立ち続けたいと思っております。今日は時間がございませんから、まだまだ言いたいことはたくさんあるんですけれども、今日は時間も迫ってきたようですから、この辺でやめますけども、どうかひとつ市民の負託に十分応えるように、最初の公約に示したように、原点に返って、あなたの原点に返って、残された期間の市政運営を続けていただきたいことを強く、強く申し上げて私の質問は終わります。ありがとうございました。 ○議長(浜野幸子) これで福島 恭二議員の個人質問は終わりました。 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。 次の本会議は明3月18日午前10時から開きますので、御参集ください。 本日はこれをもちまして、散会いたします。          午後 4時48分散会...